三日坊主を卒業して、運動が長続きする方法を見つけよう

三日坊主を卒業して、運動が長続きする方法を見つけよう

やる気や意志だけの問題じゃない

勉強、日記、スポーツの練習、早寝早起きなど、「毎日やろう!」と決めても三日坊主で終わってしまうことはよくあります。運動習慣をテーマに、なぜ続かないのか、どうすれば長続きするのかを考える研究が行われています。
三日坊主になるのは、やる気がないから、意志が弱いからと思われがちです。しかし、さまざまな研究から本人のやる気や意志のほかに、「家族から期待されている」「友達にすすめられた」といった人間関係、「運動できる公園が近くにある」といった環境など、いろいろな要因が運動習慣に関係することがわかってきています。

人間関係や遺伝的要素も影響アリ?

人間関係と運動習慣との関係性を調べる研究も行われています。例えば、一緒に運動する仲間がいてもいなくても、1年後や3年後の運動継続状況は変わらなかったという結果が出ています。また、外向的な性格の人は、周りからの手助けがあるほうが良く運動していたのに対して、内向的な性格の人は手助けがあってもなくても運動の状況は変わらなかったという結果もあります。最近では、生まれ持った体質が運動習慣の形成にどのように関わるのかという視点から、遺伝的要素を調べる研究もみられます。

運動が長続きするには

長続きのコツの一つは、ルーティン化です。「朝起きたら顔を洗う」「寝る前に歯を磨く」といった行動がルーティン化されているように、運動もルーティン化できれば、頑張らなくても自然に続けられます。ルーティン化のポイントの一つは、運動のタイミングをできるだけ具体的に決めることです。「帰宅したらすぐジョギングをする」よりも「帰宅したら靴を脱がずに荷物だけ置いて、すぐジョギングをする」と決めたほうが「やるか・やらないか」の心の迷いがその瞬間だけになり、サボりたい気持ちに打ち勝ちやすくなります。
このような研究は、運動習慣づくりを支援することを目標としています。支援方法を確立できれば、食事・ダイエットや節酒などさまざまな健康づくりに応用できる可能性があります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

神戸大学 国際人間科学部 発達コミュニティ学科 教授 原田 和弘 先生

神戸大学 国際人間科学部 発達コミュニティ学科 教授 原田 和弘 先生

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心理学、スポーツ科学、健康スポーツ論

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メッセージ

高校野球でけがをしてリハビリに苦労をした経験から、「なぜ運動やリハビリは続かないのか」といった疑問を持ったことがきっかけで心理学の道に進み、それからずっと運動習慣について研究しています。単純なテーマのようで意外と奥が深く、人間らしい側面に触れることもでき、とてもおもしろいです。高校生のころ、私は理系の科目が得意でしたが、興味のあった心理学を学べる文系の進路を選び、やりがいのある研究テーマにめぐりあいました。もし進路に迷っているなら、やってみたいこと・学びたい分野を選ぶことをおすすめします。

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