講義No.13114 教育 児童学

幼児教育・保育のあり方を、保育者が受けてきた教育から考える

幼児教育・保育のあり方を、保育者が受けてきた教育から考える

昔と今では歌や絵本も異なる

あなたは幼児のころ、どんな歌や絵本に親しんで育ちましたか?
実は、今の子どもが触れる歌や絵本は、昔とは変化しています。「ぞうさん」や「ゆうやけこやけ」といった童謡は、その情景がイメージできる昔からある歌ですが、今はそうした歌は減り、愛や平和などをテーマにした歌が増えています。絵本も、昔は物語的な内容が多かったのですが、今は「触ってみる」という体験型や、「そのままの自分でいいんだよ」というテーマの絵本が人気です。悲しい結末の昔ばなしは、ハッピーエンドに変えている絵本もたくさんあります。
時代の流れもありますが、子どもに与える歌や絵本といった児童文化においても、保育者の保育観が大きく影響しています。

時間を要する教育改革

歴史を振り返っても、国の教育方針が変わったからといって、すぐに教育現場が変わるわけではありません。現場に浸透するには、ある程度の時間がかかります。その要因は、保育者がどういう教育を受けたか、保育者としてどんな経験をしてきたかといったライフストーリーが、実践に大きく影響するためです。保育者は常に、研修やほかの園の子どもたちの様子を見てみるなど、自分の保育を振り返ることが大切です。保育者としての自分の取り組みを考えるきっかけが必要なのです。

振り返り考え、実践する

教育観の変化や家庭における価値観の変化など、今の子どもたちを取り巻く環境は複雑化しています。「これまでこうだったから」「こう学んだから」といった、自分の経験や価値観だけで対応することができません。「子どもたちのために最適なことは何か」を常に振り返って考え、実践できる力が求められます。保育者の研修を整えることも必要となるでしょう。
子どもは大人が思うよりも、いろいろなことを考えて、実現する力をもっています。保育者は子どもに寄り添い、子どもの思いを理解して、柔軟に対応することが大切なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 教授 田甫 綾野 先生

玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 教授 田甫 綾野 先生

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幼児教育学、保育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

子どもは自分なりに考えて、大人が驚くような発言をしたり、行動したりします。幼児期は大切な時期であり、子どもの成長に直接かかわることができる幼稚園教諭や保育士は、とても尊い仕事だと思います。大人からみる子どもと、子ども自身の世界は異なります。幼児教育に興味があれば、今の子どもたちがどんな絵本を読んでいるのか、どんな歌や遊びが好きなのかチェックしてみると、子どもの世界が見えてくるでしょう。また、街で出会う子どもたちの様子も、子どもの視点を意識してじっくり観察してみてください。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

玉川大学に関心を持ったあなたは

―8学部17学科がワンキャンパスに集まる総合大学!―「全人教育」の理念のもと“「人」を育てる”ことをめざす玉川大学は、8学部17学科の学生がワンキャンパスで学んでいます。61万㎡の広大な敷地には、各学科での深い学びに加え、学部学科の垣根を越えた学びの環境を用意。学外での体験型学修や、「使える英語力」を身につける「ELFプログラム」などの独自プログラムも実施しています。また、2020年4月に利用開始した「STREAM Hall 2019」では、農・工・芸術学部が学部の枠を越えた学びを展開します。