選挙の投票には、どんな意味があるのだろう?
世界では少数派の民主主義
あなたは国内のどこへでも自由に遊びに行けて、学校では平等に教育を受けられます。それは国民が直接国民の代表を決める自由民主主義の日本にいるからです。世界に目を向ければ、本当の民主主義の国は20%ほどしかなく、多くの国では不平等で制約の多い暮らしを強いられています。では、自由民主主義をまもるためには、国民が何をするべきかというと、政治に参加すること、つまりまず選挙へ参加し投票することです。自分の考えにより近い候補者や政党を選んで投票することが、自分たちが暮らしやすい社会を実現することになります。
経済状況で投票行動が変わる
では、例えば社会を動かしている経済と、選挙の投票との間には何か関係性があるでしょうか。それを見るために、年齢・性別・学歴・地域・政治意識・経済意識など数多い質問項目を設定した調査分析が行われています。多くの分析結果からわかったのは、経済状況が悪いときは投票行動に影響が出て、経済状況が悪くないときは投票行動にあまり影響がないということです。つまり景気が悪いときほど多くの国民が政策での問題解決を望んでいると見て取れます。また「経済状況が良い、悪い」の判断も、GDPや失業率などの客観的な数値より、自分の仕事の状況など主観的なものを指標にしていることもわかりました。
投票は、政治家へのメッセージ
日本を含めて、世界的に若い世代の投票率が低いと言われています。理由の1つは、学生はまだ給与明細を見る機会がないからです。社会人になると、国や地方政府の政策によって自分の生活がどれだけ変わるかを実感するようになります。すると自分たちが暮らしやすい社会を維持するためには、選挙で投票することが大切だと理解できます。たとえ自分の支持する議員が落選しても、「私たちは政治家のことをちゃんと見ていますよ」というメッセージを政治家に伝えることが民主主義を維持するために必要なのです。
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