人間はロボットをどこまで受け入れられるか?
人間にとってペットとは何か?
今やAI(人工知能)は、さまざまな場面で活用されています。身近なところで言えば、ペットロボットが挙げられます。人の言葉に反応して、かわいがるほどなついていくペットロボットは、犬や猫などと同じような存在としても捉えられています。ただ、その「ペット」という言葉は、現在どんな認識のされ方をしているのでしょう。「ペットは家族」とよく言われますが、それは果たしてロボットでも同様なのか、もしそうなら「いつ」「どんな理由で」ペットとして認識されるのか、このような疑問に応える研究が現在進められているところです。
ロボットはどこまで人と近づくか
ペットロボットと並行して開発が進んでいるのが、人間型ロボットです。以前は主に外見に違和感がありましたが、技術の発達によりその点はすでにクリアされました。今後、人間型ロボットが家庭で使われるようになるとすると、ペットロボットを含めて「果たして人間はロボットを家族の一員として受け入れられるのか」という課題が見えてきます。
一方、ロボットに活用されているAIは、会話のうえでまだ問題があるとされています。話し相手によって使う言葉を変えることなどは、現在のAIの苦手分野です。今後の技術の進展によりそれも徐々に解消される可能性はありますが、反面、会話さえ普通にできれば人間と同等になるとも言えません。
AIが生活に進出したら
そもそも家族はお金で買えませんが、ロボットは買うことができます。また、人間とロボットの間の親密性もお金で買うことができるでしょう。そう考えると、「家族」をどう捉え直すかが重要なポイントになってきます。今後は人間同士の相互作用だけでなく、人間とロボットとの関係性も考えなければ、社会そのものを理解することができなくなるでしょう。
また、今の大人とデジタルネイティブ世代とでは、AIに対する感覚も異なってくるはずです。これについてはこれからも観察が続けられて、何かしらの成果を残すものと期待されます。
参考資料
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京都先端科学大学 人文学部 心理学科 教授(学部長) 佐藤 嘉倫 先生
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