笑いは、心身の健康に貢献する

笑いは、心身の健康に貢献する

笑いが健康に良い理由

笑うという行為は、その人の体に良い効果をもたらします。「わっはっは」と大きな声で笑うまねをする「疑似笑い」でも同じ効果があります。まねをするうちに本当に笑いがこみ上げてきて、本物の笑いに変わるものです。研究によって、笑いはストレスホルモンの分泌を抑え、心拍・血圧を安定させて、ストレスが軽減され、免疫機能も向上することがわかってきました。笑うことが病気を予防し、寿命にも影響があることがわかっています。

ポジティブは寿命に影響する?

よく笑う人は楽観的、すなわちポジティブな人が多いです。そのような人は、何かあっても「まあいいじゃないか」と前向きにとらえ、時に受け流します。すると、かえって良いアイデアや解決策が浮かんでくることもよくあります。最近よく聞かれる言葉に、「ウェルビーイング」があります。人が幸せであり健康な状態であることを表しますが、ポジティブは、このウェルビーイングに欠かせない要素の一つです。
では、どれくらい影響しているものなのでしょうか。例えば日本人は概して真面目な人が多いです。それはいいことですが、中には真面目過ぎる人もいます。特に東北地方にはそのような気質の人が多い傾向があり、同時に、寿命も短い地域も多くあります。さまざまな原因があるので一概には言えませんが、人の気質も無視できません。そのような人たちが、お笑いライブなどを楽しみ、肩の力を抜くことができて前向きにものごとを考えられるようになれば、それが寿命の長さにも反映してくると考えられます。

多方面から病人を支える

医療分野での笑いは、病気治療に立ち向かう人に勇気を与えるでしょう。介護する側の人の気持ちも前向きにしてくれます。ポジティブな感情は、人の健康と幸せにつながっています。どんな状態の人であれ、幸せに穏やかに過ごしたいものです。医療だけでなく、人々の幸せにも着目し、今後は心理や教育など、さまざまな分野の専門家と協力した多方面からの取り組みが期待されています。

参考資料

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弘前大学 医学部 保健学科 看護学専攻 教授 冨澤 登志子 先生

弘前大学医学部 保健学科 看護学専攻 教授冨澤 登志子 先生

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今あなたの考える常識は世界の誰かにすれば非常識であることもあります。このルールにはどんな意味があるのだろうと疑問に思ったら、自分の頭で考えて、意味がないと思ったらどんどんその枠から出てみましょう。他人の決めた枠に収まろうと躍起になるのではなく、むしろ自分の納得できる枠を作るんだというくらいの心構えでいましょう。そして、失敗を恐れないでください。失敗をステップアップのための絶好の機会ととらえて自分を磨きましょう。できないことはない。一歩踏み出すことで、あなたの未来が確実に変わります。

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