「モチベーション」と「柔軟性」が鍵! 組織を強くする秘訣とは?

「モチベーション」と「柔軟性」が鍵! 組織を強くする秘訣とは?

人の心を動かす「期待の力」

人は、周囲からの期待に大きな影響を受けるものです。部活の監督に「君ならできる!」と言われて、自信を持ってプレーできたという経験がある人も多いでしょう。これは、「ピグマリオン効果」と呼ばれる心理的な現象です。上司や先生が部下や生徒の可能性を信じて高い期待を寄せると、その人のやる気が高まり、素晴らしい力を発揮できます。反対に期待が低いと、自信を失って力が発揮できなくなってしまう「ゴーレム効果」というものもあります。こうした効果は、学校生活でも職場でも見られるもので、私たちの日常に深く関わっています。期待がもたらす影響を理解してうまく活用することが、組織全体のパフォーマンスを上げるためにとても大切なのです。

組織を変える「柔軟性」

組織全体のパフォーマンスを上げるためには、組織の「柔軟性」も重要です。バブル崩壊後に実施された中小企業に対する調査では、厳しい環境下でも生き残った企業の特徴として、従業員の学習意欲を高めて新たな分野の開拓に挑戦し続ける組織文化が明らかになりました。これらの企業は、「問題解決の際に多様な解決策を考えさせる」「新入社員に一日棟梁(とうりょう)を経験させる」などのユニークな取り組みを通して柔軟性を高める工夫が見られたのです。組織が環境変化に適応して継続的に発展するために、硬直化の予防を心掛けている企業から学べることはたくさんあります。

変化に強い組織にするために

このような個人のモチベーションを高める方法や、組織の柔軟性を高めるための知見は、人材育成や組織改革に大いに役立つでしょう。現代社会は変化のスピードが速く、先行きが見通しにくい「VUCA時代」だといわれています。このような環境の中で組織が生き残るには、一人一人が変化を恐れずに新しいことにチャレンジする姿勢を持つことが重要です。また、組織全体としてもさまざまなアイデアを取り入れてイノベーションを促進する文化を醸成することで、変化に強い組織は出来上がるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

中部大学 経営情報学部 経営総合学科 教授 寺澤 朝子 先生

中部大学 経営情報学部 経営総合学科 教授 寺澤 朝子 先生

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経営組織論、組織変革論、組織行動論

先生が目指すSDGs

メッセージ

大学は社会人になる前の最後の練習と体験の場です。失敗が許される時期だからこそ、たくさんの経験を積んでほしいと思います。経験を積むには、いろいろな人と話すことや、部活、留学、アルバイトなど、さまざまな場に身を置くことが大切です。自分の可能性を信じて、迷ったときは、チャレンジする方を選びましょう。中部大学には、あなたの背中を押してくれる社会連携授業など、チャンスにあふれています。社会に出る前に、自分の得意なこと、苦手なことを知り、コミュ力をあげる準備期間として大学をしっかり活用しましょう。

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「不言実行―あてになる人間の育成」を建学の理念とする中部大学。基礎教育へのこだわりや時代の先端分野を組み込んだ応用研究、最新鋭の学習環境を通し、その実現に向けて歩みを進めてきました。
設置学部は、人文、現代教育、国際関係、経営情報、工、理工、応用生物、生命健康科学部。文理融合8学部27学科の総合大学です。