心身の健康を保ちながら幸福に働いていくには?
「ここで働く目的」を明確にする
多くの人は働く会社を決める際に、賃金、労働環境、人間関係、仕事内容など、さまざまな面から選びます。「この会社でこういうことをしたい」という明確な目標を持って入社した人のほうが、目的が明確でない人よりも、常にモチベーションを高く保ちながら幸福感を持って長く働けているという傾向があります。目的に向かって邁進できることが「自分らしく働ける」ことにつながり、労働への対価だけでは計れない意識に結び付いているということもわかっています。だから、働く先を選ぶときは、まず「そこで働く目的」が明確にできるところを選ぶことが、自分の幸せへの近道ともいえます。
産業保健師が心身をサポート
しかし現実には、働くということには色々な負担もかかってきます。目的が明確というだけでなく、心身の健康があってこそ、幸福に働くことができます。2019年に「働き方改革」が発表され、そこでは「個々の状況に応じた多様で柔軟な働き方」が提唱されていますが、中小企業の中にはまだまだ行き渡っていない場合があります。そんな中で常にモチベーションを保ちながら、ポジティブに、自分らしく働いていくには、サポートが必要になることもあります。そのため、企業には産業保健師がいて、働く人の心身の健康をサポートしたり、悩み相談を受けたりしています。健康と労働の調和を図り、安全と健康に関して好ましい職場風土を醸成するのが産業保健師の仕事なのです。
自分らしく生きていくために
人は、どんな年齢でもさまざまな問題を抱えているものです。産業保健師は、その人たちのサポートをしながら、学んだことを次につなげ、さらなる心の健康支援をしていくことも仕事のひとつです。人とのコミュニケーションの形が激しく変化するこの時代、どんな年代の人もサポートを受けながらも自分らしく生きていく心の健康を守ることが、これからを生きていく原動力になるのです。
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先生情報 / 大学情報
宇部フロンティア大学 看護学部 看護学科 講師 立川 美香 先生
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