ツーリズムから、人の「移動」を考えてみよう
情報がもたらす安心で快適な移動
「ツーリズム」という言葉の意味は幅広く、いわゆる観光旅行から留学やワーケーション、そしてそれに伴う移動行動までを含みます。この「移動」をもっと安心で快適にするのが「情報」です。例えば初めて訪れる大きな駅やバスターミナル、高速道路のサービスエリアで、わかりやすい交通情報や観光情報があって予定より短い時間で楽に乗り換えができたら嬉しいでしょう。あるいは、そこで知った旬の観光情報をもとに寄り道を楽しむといった、サプライズ的な体験ができるかもしれません。また不慣れな場所で無用なトラブルに巻き込まれないためには信頼できる質の高い情報は重要です。最近はスマートフォンのおかげで便利に動けるようになりました。ピンポイントでオンタイムな情報はこれからも求められますし、移動に必要な情報の出し方やあり方はどんどん進化していくでしょう。
通信技術で移動を「かなえる」
様々な場所で活動する人がいる一方で、様々な理由で移動できない人がいます。ここで役立つのが通信技術です。離れた人と議論したり、遠くの風景を実際に観るように楽しんだり、現地にいるのと変わらない感覚が得られれば人間の活動は広がります。とはいえ、現状では現地にいるからこそ聞こえてくる周囲のざわめきや実際の場所を肌で感じる体験との差は小さくありません。こうした差を縮め、同じ空間にいるのと同じだけの情報量を共有できるようにすることが今後の目標とされています。
インターネットで展開する未来のツーリズム
オンライン会議で生じるタイムラグは環境が整っていても0.3秒ほどはあります。これを、0.1秒以下まで縮められたら、よりリアルなコミュニケーション、例えば遠方にいるもの同士で、スポーツ競技すら違和感なく楽しめるでしょう。現代は色々な分野で社会基盤としてインターネットをどう役立てるか熱心に議論されています。快適な移動、現地にいるようなリアルな体験など、インターネットによるツーリズムの拡張は、我々の生活にとても身近で重要な議論です。
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先生情報 / 大学情報
東海大学 観光学部 観光学科 准教授 佐藤 雅明 先生
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