細胞レベルで「勝つ体」「けがのない体」をつくるには?

試合前には肉を食べるといい?
大事な試合の前、あなたならどのような食事を取りますか。「肉を食べて体力をつける!」と答える人が多いかもしれませんが、本当にそれは正しいのでしょうか。
実は、肉類中心の食事は交感神経を刺激するため、なんとなく気が立って集中できない、緊張して十分なパフォーマンスが発揮できない状態に陥りかねません。副交感神経が優位になる魚や野菜、豆類などをバランス良く食べたほうが、心身ともにリラックスした状態になり、パフォーマンスが向上しやすくなる可能性があります。
たくさん食べれば「強い体」は手に入る?
競技によりますが、試合に勝つには、しっかり食べて体重を増やし、フィジカルの強さを得ることが求められます。体づくりのために食事を多く食べている人もいるでしょう。しかし、フィジカルの強さを手に入れるには、食事量を増やすだけでは不十分です。例えば、高校生アスリートの中には、がんばって食事量を増やしているのになかなか体重が増えないと悩んでいる人がいます。食べているのに体重が増えないのは、栄養がきちんと体に吸収されず代謝されていないからです。代謝を良くするビタミン・ミネラル類を摂るようにすれば、栄養がきちんと吸収・代謝されるようになり、無理に食事量を増やさずとも体重も自然と増えやすくなります。
食事を見直し、細胞レベルで体を変える
アスリートの食事は、適切な栄養をいかにバランス良く摂るかが重要です。適切な栄養を摂れば、体の機能が細胞レベルで最適化され、やがてパフォーマンスも変わります。特に、近年不足の傾向にある栄養素は「n-3系脂肪酸」です。鮭や青魚などに多く含まれている栄養素ですが、体内で合成されないため、食事から摂らなければなりません。積極的に摂ることで、筋肉の疲労回復も促され、柔軟でけがをしにくい体になります。
アスリートにとって、強く疲れにくく、けがをしにくい体をつくることは非常に重要です。そして、その体づくりを食事面からサポートする学問が「スポーツ栄養学」なのです。
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