障害ってなんだろう?
障害かそうでないかの境界線は?
あなたに障害はありますか? 障害とは何でしょうか。実は、障害のある人とそうでない人の境界線はあいまいです。障害は、その人の個性・特性と、環境との相互作用によって生じるものだからです。メガネやコンタクトをしているあなたは、視覚障害があると考えたことはありますか。もし、この世にメガネがなければ、勉強や部活ができなくなる人も多いことでしょう。このように、障害はヒト・コト・モノといった、環境の影響を受けて形作られる面があるのです。
その子の生きている世界を想像してみる
「集中力が続かない」「相手の気持ちを察するのが苦手」「忘れっぽい」「怒りっぽい」などの、目に見えない個性や特性のある子どもも同じです。大切なのは、その子に「障害があるかどうか」ではなく「困っているかどうか」であり、もし困っているのであれば、環境の調整が必要になります。特に学校や園の先生には、子ども一人一人の個性・特性や困りごとをよく知って、その子に応じた教育を考えていくことが求められます。子どもの多様性を大切にする「特別支援教育」は、すべての子どもに適した教育です。どのような子どもであっても、環境次第では、障害や課題が生じることがあるからです。
「~できない・~しづらい」だけでしょうか?
障害と聞くと、「~できない・~しづらい」という子どもが浮かぶかもしれません。しかし、「~できすぎる・~しすぎる」がために、生きづらさを感じる子もいます。例えば聴覚過敏の子どもは、教室や保育室の雑音がうるさく感じられるため、教室の机・いすの足にカバーをつけるなどの工夫が求められます。また、左利きの人は実感があると思いますが、社会の仕組みやサービスは、たいていが「大多数」の人に合わせてあります。「大多数」の枠組みを飛び出す子どもは生きづらいことも多いのです。そのため、枠組みをなるべく広くとった学校や園づくりが求められています。
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