経験や勘ではダメ! 経営の非効率をなくすには

経験や勘ではダメ! 経営の非効率をなくすには

そのサービス、やりますか?

あるサービス活動について「お客さんが喜ぶ」ということで、追加の費用をいただくことなく様々なサービスをするとします。ただし、あらゆる活動には費用が必要です。それによって働く人の労働時間も増えるかもしれません。結果として企業は利益が減るだけでなく、それに伴い従業員の給料も減るかもしれません。そこで、効率的にサービスを提供し、かつお客さんに満足してもらうためには、どうするべきでしょうか。日本のサービス業では、話し合いや経験、勘に頼るなど「昔ながらの意思決定」を行う企業も多いです。より効率的な経営活動を実践するためには、情報やデータ分析などの「データサイエンスの技術」に基づいた経営管理が必要なのです。

売れる商品の「根拠」

例えば、お中元の新商品としてスイーツを開発するとします。お中元は、普段買わない特別な商品を扱うことが多く、贈る側は味よりも見た目重視で選ぶことになります。
そこでまず過去のお中元パンフレットを取り寄せて、パッケージの文字の大きさや色、素材、使うフルーツの種類など商品の見た目に関するあらゆる情報を入力します。それを過去の売り上げデータと連携させて売れる商品の分析をすることで、売れるであろう「新商品の見た目」を作り込むことができます。商品を完売させるなどの成功する確率の高い行動をとるためには、データを基に判断していくことが不可欠なのです。

どうすればいきいきと働けるか

企業の業績を上げるためには、働いている人が楽しく、やりがいをもって仕事をすることも重要です。そのために必要な組織としての取り組みについても、データや根拠を踏まえた研究が進んでいます。近年、新入社員の離職が増加しています。どんな制度があれば離職率が下がるのか、離職をとどまらせる要因は何かなどは、データを収集して検証することで明らかにできます。経営をする上では、このようなデータサイエンスの技術を用いて誰もが納得できるように説明し、それを基に議論することが大切なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

和歌山大学 社会インフォマティクス学環  教授 竹田 明弘 先生

和歌山大学 社会インフォマティクス学環 教授 竹田 明弘 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

経営学、サービスマネジメント、経営管理

先生が目指すSDGs

メッセージ

人生は1回きりなので、自分の人生についてよく考えてほしいです。目先の楽しさだけでなく、将来のこと、自分は何になりたいのか、何をしたいのか、そのために今何をすべきなのかということを深めてみましょう。私も10代の時は全然ピンとこなかったし、今思えばダラダラと生きていました。でも同級生の一部にはその時に真剣に考えている人がいて、そこで自分は出遅れた気がします。年をとった時に後悔しないためにも、今できることを精一杯考えてほしいですし、きっとそれは行動にも現れてくると思います。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

和歌山大学に関心を持ったあなたは

和歌山大学は未来を託そうとする若者、保護者のみなさんの願いを受けとめ、若者とともに希望ある未来を創り出したいと決意しています。
新たな学びの場・新たな生活の場へ、期待とともに不安もあると思いますが、国立大学の強みは、学生数に対して教員数が多く、学生と先生の"つながり"が強固なことです。なかでも和歌山大学は、小規模クラス授業や対話的授業を重視するなどきめ細やかな教育と、行き届いた学生生活支援の体制を整えています。そして、卒業後の進路・就職を拓くキャリア・サポートには定評があります。