テニスを科学し、メンタル面からも選手を勝たせるコーチング
セットを落とす戦略も
テニスの試合に勝つには、もちろんサーブやレシーブといった技術力が必要です。さらに、試合をどう運ぶかといった全体を把握する戦略がとても重要です。もし、選手の体力が最後までもたないようなら、途中のセットをあえて落として体力を温存し、最終セットで勝負するという戦略を取ることもあります。
テニスはメンタルのスポーツといわれるほど、心理面が大切です。選手は自分のことを知り、自分の良い点を見つけて、相手よりも精神的に優位に試合を運べるようになれるかが鍵です。そこでコーチは選手一人一人に適切な指導をしつつ、テクニックだけでなく、ゲームを大きくとらえてどうしたら勝てるのかを考えます。
サーブでもゲームは変わる
試合では多くの人が、「ミスをしたくない」という思いが強くなります。サーブでミスをしたら、次はミスしないようにと攻撃的なサーブが打てなくなり、結果的に相手にゲームを取られることもよくあります。そうした「ミスへの恐れ」を減らすように意識することも大切です。
ちなみに、サーブは高い位置でボールを打つよう指導する人も、それを練習する人もいますが、打点が高ければいいわけではありません。選手の身長などにもよりますが、低い位置でボールに回転をかけるように打つほうが、相手コートに落とす場所を広げられて攻撃のバリエーションを増やせます。選手にとってのメリット・デメリットを考えたコーチングが不可欠です。
テニスを科学する
これらの情報は、データ分析に基づいた結果です。試合の映像を分析し、スピードガンなどを用いてボールの回転やスピードを把握して、選手の位置やボールが落ちた位置などをデータとして見える化します。感覚ではなく、科学的データを基に選手の技術を客観的に評価し、課題を明確にして技術向上をめざすことができます。
テニスの指導に、正解はありません。しかし、実績データによるエビデンスの蓄積によってテニスを科学することで、指導の方向性が見えてくるのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。