「非日常」から考えるディズニーの特徴

文化人類学でディズニー研究を
アメリカの象徴ともいえるディズニーランドは日本でも非常に人気が高く、熱烈なリピーターがいることでも知られています。ディズニーランドは1955年にアメリカ合衆国のカリフォルニア州で始まり、その後1983年に初のアメリカ以外のディズニー・パークとして、東京ディズニーランドがオープンしました。今や日本の遊園地やレジャー産業すべての中で、ディズニーランドを含むディズニーリゾートだけで売上の半分を占めるほどの成長を遂げています。
ディズニーランドのようなテーマパークも文化人類学の研究対象になり得ます。文化の視点から人気の理由や文化的な背景の違いなどを考えていきます。
アメリカと日本の非日常の違い
ディズニーランドは「夢の国」のイメージを打ち出すことに成功し、訪れる人が非日常を体験できるようになっています。非日常性はディズニーの基本的な方針ですが、アメリカと日本とでは非日常のあり方が異なります。アメリカのディズニーでは古き良きアメリカという理想の世界が描かれており、アメリカ人のアイデンティティを感じることができる場所に仕上がっています。一方で、日本のディズニーはアメリカのコピーとして作られたにもかかわらず、古き良きアメリカを感じる人はほとんどいません。どこの国でもない、夢のような非日常性が打ち出されているのが日本のディズニーの特徴です。
ディズニーの経営戦略に学ぶ
ほかにも、ディズニーでは夢の国のイメージを壊さない徹底した秘密主義と、日本ならでのローカライズとして豊富なグッズ展開が行われています。またディズニーのキャストと呼ばれる出演者のホスピタリティの高さも人気の理由です。ディズニーではキャストたちを含めて現場にかなりの裁量が与えられていて、顧客のことを第一に考えて接客しています。このように、ディズニーがなぜこんなにも人々に受けているのかを考える作業を通じて、経営戦略や接客術に関する学びも得られます。
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浦和大学社会学部 現代社会学科 教授(学部長)豊田 由貴夫 先生
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