よりよいコミュニケーションのために「表情」を味方につける
コミュニケーションに大きく影響する「表情」
人が直面するトラブルの多くは、人間関係が原因であるとされています。人間関係を良好にするポイントは、相手とのコミュニケーションを十分にすること、コミュニケーションで感情をしっかり見せることです。そこで注目したいのが、顔の表情です。表情は、いわゆる「ノンバーバル(言葉を使わない)」なコミュニケーションツールとして機能しています。一人の笑顔が場の空気を和ませ、そこにいる人たちの気持ちを自然と明るくしてくれる、そんな経験をしたことがある人もきっと多いでしょう。
「表情」の動きや心理に与える影響を精細に分析
相手によい印象を与えたり心を開いてもらったり、良好な関係を築いていくためのツールとして表情を活用するために、実験・調査とデータ解析を行います。実験・調査では、対話中の表情を動画撮影し、目尻の動きなど1ミリ単位で変化を測定したり、相手のどこを見ているのかを視線計測したりします。表情に関する研究は、心理学の中でも基礎的な実験・分析を行う機会が多いのが特徴です。「こちらが笑顔になると、相手も笑顔になる」これを表情同期といいますが、表情が同期すると関係がより良好になるとのデータもあり、人の表情が生活の質を高める要因の一つになることも明らかになっています。
「表情」を活用していくためには
自分が「どんな表情をしているのか?」を意識し、さらには正しく認識できている人はほとんどいません。そのため、自分の表情を意識し、うまくコントロールすることができれば、より円滑なコミュニケーションの手助けとなるはずです。例えば、医療・保健や福祉といった対人援助・支援の現場においては、もっと表情が活用されることが望まれます。しかし、思うように表情を出すのは簡単なことではありません。対人援助・支援に関わる人に限らず、多くの人たちが円滑なコミュニケーションのツールとして「表情」を活用していくためには、実践的なスキル習得につながる学びや支援方法の確立も必要だと考えられます。
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