音楽を「仕事にする」とは

ネット時代に「売れる」ためには
楽曲制作ソフトや機材の進化により、手軽に楽曲を作れる時代になりました。さらに、映像と合わせてYouTubeやSNSで発表することもできます。いわゆる「売れる」ためにもそうした活動は重要です。一昔前の企業はタイアップを使い流行を作り出す手法を用いていましたが、近年はネットメディアで話題のアーティストに目星を付けて投資しています。彼らは既に一定の成功を収めていることから、効率よく売り出すことができるからです。
海外展開と固定ファン向けビジネス
人口が減少している日本では顧客の獲得に限界があり、加えて諸外国との収入格差もあります。最低賃金を単純比較しただけでも、イギリスやオーストラリアは日本の倍以上です。そうなると外国人ファンの方が1人あたりでアーティストに使えるお金も大きく、それも見込んで日本の音楽業界は海外進出をめざしています。アニメやボーカロイドに関心のある外国人は多く、それをきっかけにJ-POPを聴くようになった人も少なくありません。
一方、継続的な収益を上げるには、固定ファンの獲得も大切です。1億人に1曲を販売するのと1,000人に向けて十数年楽曲をリリースするのでは、後者の方がビジネスとして健全です。既にメジャーシーンの第一線ではないものの、中規模程度の会場でライブを続けることで仕事として成立させているアーティストはたくさんいます。
技術職へのニーズの高まり
ライブが音楽ビジネスの中での比重を増したことで、音響や照明、イベント立案、グッズ制作といったスタッフのニーズも高くなっています。スタジアムのような広い会場は音響面で課題もありましたが、技術の進化により安定した音響を提供できるようになりました。機材が小型化して低価格になったことで、飲食店でもライブができるようになっています。こうした技術職はアーティストに比べて知識や経験が能力に結びつきやすく、見方を変えれば一生の仕事として適しているとも言えるでしょう。
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