さまざまな職種の人々に支えられている在宅医療
少子高齢化が進む社会で高まる必要性
少子高齢化が進んでいる日本の社会では、病院だけでなく、在宅での医療・介護の需要や必要性が高まっています。地域でのそうした在宅医療・介護は、さまざまな職種の人々によって支えられることで成立しています。その職種の内訳は、医師、訪問看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、さらにはケアマネジャー(介護支援専門員)やホームヘルパー(訪問介護員)、ソーシャルワーカー(社会福祉士)など、主なものだけでも実に多岐にわたっています。
何がその人にとっての幸せなのか
末期がんの高齢の女性が、病院ではなく、息子とその家族が暮らす家で療養をしたいと希望したケースを想定してみましょう。そして、その女性が「温泉旅行に行って、ゆっくり過ごしてみたい」と希望したとします。在宅医療を支えるスタッフは、まずその女性の病状が温泉に行っても大丈夫かどうかを判断します。そして、食事はどのようなものを用意すべきか、宿泊先からの協力は得られるのか、要介護者や体の不自由な人が利用する介護タクシーを手配すべきかなど、本当にさまざまな要素を検討して、調整していきます。
その際に重要なのは、そのようなサポートをすることが、本当の意味で本人とその家族に満足してもらえるものになっているか、という点です。何に対して満足するかは人によってさまざまなので、誰に対しても同じ施策をすればいいというわけではありません。対象者との密接なコミュニケーションが重要なのです。
お互いの仕事内容への理解を深める
多種多様な職種の人々同士の、横のつながりも大切です。お互いの職種の特徴や仕事内容について、理解を深めておく努力は欠かせません。また、後進の育成という点で、学生時代に学んだことが在宅医療の現場でどのくらい役に立ったかを教育の場にフィードバックして、業界全体の知識と技術をアップデートしていくことも、今後さらに重要になっていくことでしょう。
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