太陽光との上手な付き合い方を知ろう

太陽光との上手な付き合い方を知ろう

太陽光を浴びるのは悪いこと?

太陽光に含まれる紫外線は、日焼け、シミ、しわ、皮膚がんなど、人体に悪影響を及ぼすことが知られており、近年では学校の体育や部活動でも日焼け対策が注目されるようになりました。そういうこともあり、「紫外線は悪いもの」というイメージがあるかもしれませんが、紫外線を浴びると良いこともあります。例えば、体内で必要な「ビタミンD」を生成することです。ビタミンDは食事から取ることもできますが、紫外線(UV-B)を浴びることで生成できるのです。

目の健康と光の関係

光は目にも影響を及ぼします。例えば、白内障は加齢が原因だと言われていますが、それには長く紫外線を浴びたことも関係しています。一方で、目に見える光(可視光)の中でも紫外線に近い波長の「バイオレットライト」を浴びると近視の進行を抑制すると言われており、やはり目にとっても良い側面と悪い側面があることがわかります。また、年齢による違いもあります。若い人にとって黄色い光(イエローライト)は好ましいものですが、40歳以上の人はまぶしく感じるため、極力避けたい光です。
光との上手な付き合い方は、必要な光を適量浴びて、有害で不要な光をカットすることです。浴びる光をうまく調節するために用いられるのがサングラスです。近年は、透明に近いクリアなレンズで、ふつうの眼鏡と同じように日常生活の中で使えるものも開発されて普及しています。イエローライトの問題に対しては、ややブルーがかったレンズを使うことで色のバランスをとる工夫がされています。

近視が増える未来に向けて

2050年には、世界人口の半分にあたる50億人が近視に、そしてそのうち10億人が強度近視になると予測されています。強度近視になれば、網膜剥離や緑内障を合併することもあります。そうなる前に、光との付き合い方を周知することと、国や地域の環境、生活スタイル、属性に合わせたレンズ開発が求められます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東北文化学園大学 医療福祉学部 リハビリテーション学科 視覚機能学専攻 教授 坂本 保夫 先生

東北文化学園大学 医療福祉学部 リハビリテーション学科 視覚機能学専攻 教授 坂本 保夫 先生

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メッセージ

光と目の健康との関係は、誰にとっても自分事です。ぜひ関心を向けてみてください。どうしたらいいだろうかと考えているうちに、「もしかしたらこうすればいいのでは?」と思いつくことがあると思います。その瞬間に、あなたはもう夢中になっているはずです。私はもともと別の研究をしていましたが、たまたま入った研究室で水晶体の研究を手伝うことになり、いつの間にか夢中になっていました。「夢中」は研究の入り口です。そこに立っていると気づいたら、あとはのめり込むだけです。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

東北文化学園大学に関心を持ったあなたは

東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実しました。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。