意外と知られていない? 若い女性の飲酒問題

意外と知られていない? 若い女性の飲酒問題

世界的にはお酒離れが進んでいる?

お酒を楽しむ目的の店を「バー(Bar)」と呼びますが、今、都会ではアルコール成分の入っていない飲料を提供する「ノンアル・バー」が増えています。なぜそういう店が求められているのかといえば、飲み過ぎると頭痛や気分の悪さなどをもたらすお酒は飲みたくないけれど、お酒と同じような「楽しさ」「心地よさ」を体験したい人が増えているからです。世界的には健康志向への高まりもあり、あえてお酒を飲まない生き方「ソバーキュリアス」も注目されています。

20~30代の女性はBinge飲酒に注意

誰しも成人を迎えると、お酒を飲む機会があるでしょう。ここで問題なのは、一度に(短時間に)多量にお酒を摂取する「Binge(ビンジ)飲酒」というものです。女性なら56gの純アルコール量(500mlのビール缶2.8本分)を摂取すると、血中アルコール濃度が急激に上がって、健康被害や事故に遭う確率も高くなると考えられます。特に20~30代の妊娠出産を控えた女性がBinge飲酒を続けると、妊娠した時にも飲酒がやめられずに本人の健康や胎児の成長に影響が出る場合もあります。ほかにも乳がん、肝硬変、アルコール依存症などのリスクがあります。

ノンアルでも脳は心地よさを感じる!

働く若い女性が友人とお酒を飲みながら、おいしい料理を食べたり、おしゃべりを楽しんだりするのはすてきなことです。しかし、飲酒の健康リスクを知らずに「自分はお酒が強いほうだ」と勝手に決めつけて、多量に飲むことは推奨できません。実はノンアル飲料でも脳は心地よさや楽しさを感じることができます。飲むお酒を減らすには、少しずつノンアル飲料に置き換えるなどの工夫ができることを広めていくことも効果的といえるでしょう。
このように、地域に暮らす人びとのより良い健康を考えていくことは「地域看護学」の分野につながります。その人が自分らしく生きるために、健康面から支える役割を担っているのです。

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先生情報 / 大学情報

県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 看護学コース 教授 岡田 ゆみ 先生

県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 看護学コース 教授 岡田 ゆみ 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

地域看護学、公衆衛生看護学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校生のうちは、自分がどんなことに関心があるのか、どんなことを大切にしたいと思っているかを意識するようにしましょう。興味関心のあることがそのまま将来に結びつくとは限りませんが、自分の将来を切り開いていくきっかけになると思います。現代は、病気や障害があっても、その人が地域で望むように暮らせる社会が求められています。あなたの興味関心が、地域社会に関わって、住民がその人らしく健康に暮らしていくためのサポートをすることにあるなら、ぜひ本学で私と一緒に学びましょう。

県立広島大学に関心を持ったあなたは

県立広島大学は、教育、研究、地域貢献、国際交流のいずれにおいても公立大学として一級の大学になっています。「主体的に考え、行動し、地域社会で活躍できる実践力のある人材の育成」を目標に、教養教育では、大学4年間の学士課程教育を通じて実施する「全学共通教育科目」を設定するとともに、専門教育においては、教養教育との連携を図りながら、「専門科目」を系統的に設定することにより、バランスのとれた教育内容を提供していきます。