人がファンになるきっかけとは? クチコミの効果を探る
何かのファンになるきっかけ
スポーツチームやアイドルなど、人々が何かのファンになるときには、どのようなきっかけがあるのでしょうか。事例の一つが、すでにファンになっている人からのクチコミです。家族や友人からの誘い、SNSでの評判などを見て試合やライブに足を運び、ファンになる人は数多く見られます。つまりチームなどを運営する企業からのメッセージだけでなく、消費者同士のコミュニケーションもファンの獲得につながっているのです。
心を動かすクチコミの特徴
クチコミの効果や、クチコミをした人とされた人の関係性などを調査するために、スポーツの試合に訪れた観客を対象にアンケートが行われました。するとクチコミをした人に対する信頼性が高い場合や、クチコミの情報量が豊富な場合、そして伝え方に熱量がある場合は、「観戦しよう」という気持ちになりやすいことがわかりました。一方でクチコミをした人がそのジャンルに詳しいかという点(専門性)は、観戦の意思決定にそれほど影響を与えていません。
クチコミと類似性
ただし、細かく分析すると、専門性が重要になるケースも明らかになりました。それは、クチコミをされた人が、クチコミをした人に類似性を感じている場合です。例えば、「同じ種類のペットを飼っている」、「同じ学校に通う子どもがいる」、「共通の趣味がある」といった感性やライフスタイルに関する類似性が明確になったうえで、クチコミをする人の専門性が認識されると、「観戦しよう」という気持ちが強まることがわかりました。
この調査から、すでにファンである人から、そうではない人へのクチコミの影響力を高めるためには、両者の類似性に気づかせるような施策が効果的だとわかりました。実際にアメリカのメジャーリーグでは、犬と一緒に観戦できる「ドッグデー」などのイベントが定期的に開催されており、ファンが知人や友人を誘うときのきっかけづくりに役立っています。ほかにもファンを増やすにはどのような取り組みが効果的か、研究が続いています。
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