デジタル時代のビジネス英語

便利だが難しい
コロナ禍を経て、英語を用いたビジネスシーンにおいても、オンラインでのコミュニケーションが浸透しました。
ビデオ会議は、世界のどこからでもアクセスできて便利な一方で、対面よりも高度なコミュニケーションスキルが求められます。対面ならジェスチャーや表情で伝えられたことも、言葉で伝える必要があるからです。特に初対面や大人数での会議では、場の雰囲気づくりも重要です。会議の数分前に雑談の時間を設けるなどの工夫は、雑談をコミュニケーション手法として戦略的に用いていると言えます。
平易で明確な表現を
近年では多様性も尊重されています。特にアジアを中心とする英語の非ネイティブ勢が経済的に発展して、ビジネスの場での存在感を高めてきました。英語ネイティブ勢が、英語をまくし立てて非ネイティブ勢を圧倒するのではなく、「非ネイティブに伝わる英語」を意識するようになったのが大きな変化です。グローバルビジネスの場においては、みんなが理解できるような平易で明確な表現を使うことが大切なのです。相手の話が聞き取れない場合も、「I beg your pardon?」と申し訳なさを伝えるよりも、「〇〇(聞き取れた部分), what?」(〇〇って何?)と軽く聞くことで、相互理解がスムーズに進みます。
変わらない基本
さらにビジネスメールなどの、テキストでのコミュニケーションを円滑にするための「パーソナルタッチ」も欠かせません。ビジネスメールの基本は要件を明瞭で簡潔に表現することですが、人間関係を深めるためのちょっとした一言や、「Many thanks!」や「Take care!」といった温かみのある表現を加えることで、相手との距離をぐっと縮められるのです。
デジタルツールの進化があっても、ビジネスの根底にあるのは人間同士のつながりです。ビジネスにおいて重要なのは、「この人と仕事がしたい」と感じてもらえるような信頼関係の構築であることは、この先も変わらないでしょう。
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神田外語大学外国語学部 キャリア教育センター 教授柴田 真一 先生
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