小さな史実から大きな物語を読み解く「歴史学」の醍醐味
小さな史実のウラに潜む大きな物語を読み解く
どんなにささいな事実にもそのウラには必ず大きな物語が潜んでいます。「歴史学」というと、細かくマニアックなものを掘り下げる学問と受け取られるかもしれませんが、歴史上の人間が紡いだ史料を読み解くことで、それぞれの時代の大きな物語を解き明かすことも歴史学の役割です。小さな史実から大きな物語をたぐり寄せることができれば、歴史学の醍醐味を深く味わうことができるのです。
その国の言葉を理解することが大切
史実のウラにある物語を読み解く手がかりは、その時代に生きた人間が残した言葉です。例えば、北欧に位置するスウェーデンの歴史を知りたければ、日本語や英語に翻訳されている文献だけではなく、スウェーデン語で書かれた史料もあたる必要があります。史料を探索する手立てとして、まずはスウェーデン語が理解できなければ何も始まりません。日本の中学・高校で英語以外の外国語を学ぶ機会は少ないですが、スウェーデン語は英語とよく似た言葉であるため、英語の得意な人は比較的楽に習得できるでしょう。
歴史学でますます重要になる語学力
IT機器の発達で、私たちは、世界中に広がる膨大な量の情報にアクセスできるようになりました。歴史学でも、以前なら入手が難しかった世界各国の史料に比較的簡単に接することができるようになったのです。
より広く、多くの情報が得られるとなれば、これまでの研究者の解釈とは違う歴史の物語を見いだすチャンスも多くなってきているとも言えます。そのチャンスをものにしようと思うならば、語学力の鍛錬はとても重要です。膨大な情報の海の中からさまざまな史料をたぐり寄せ、それらが記す小さな史実のウラに潜む物語を見いだすには、できるだけ多くの言語を知り、膨大な情報を的確に整理する力が求められています。
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先生情報 / 大学情報
大阪大学 外国語学部 外国語学科 スウェーデン語専攻 教授 古谷 大輔 先生
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