小学生向けの外国語指導には、どんな工夫が必要?
小学校で外国語が教科に
2011年から全国の小学校で「外国語活動」が始まりました。2020年から、小学3、4年生向けの「外国語活動」、小学5、6年生向けの教科としての「外国語」が本格導入される予定で、国内でも早期外国語教育への関心が高まりつつあります。
小学生向けとひとくくりで言うけれど
一言で「小学生」と言っても、低学年と高学年とでは、物事の理解度がまるで異なります。年齢が低いほど、先生の言葉をそのまま素直に受け止めますが、高学年にもなると、わかることが前提となり、わからないことに対する許容度が低くなります。つまり、「わからないことだらけ」の外国語に対する拒絶感が増すわけです。
外国語はやみくもに早く始めれば身につくというものではありませんが、年齢が低い方がより柔軟に対応できます。そのためにも、教える側の語りかけ方に工夫が必要なのです。
子どもに伝わる語りかけ方とは?
小学校での外国語活動は、音声学習が中心になります。例えば、実物のりんごを見せて、英語で「This is an apple.」と語りかければ、子どもは「りんごは、英語でアップルというんだな」と理解します。
また、語りかけの方法は、大きく分けて2種類あります。1つは、オープン・クエスチョン、つまり自由に回答でき、答えが1つとは限らない質問で、もう1つはクローズド・クエスチョン、イエス・ノーや、AかBかで答えられる質問です。例えば、腕時計を示して、「これは何?」(What's this?)というオープン・クエスチョンには答えられないとしても、「Is this a pencil?」「Is this a cat?」と、質問をイエス・ノークエスチョンに切り替えると、子どもたちは答えやすくなります。子どもはこのようなコミュニケーションの中で外国語に慣れ親しみ、言葉を獲得していくのです。こうした工夫は、「児童英語基礎指導論」の中のほんの一例です。
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先生情報 / 大学情報
國學院大學 人間開発学部 初等教育学科 准教授 長田 恵理 先生
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