役職者だけではない! 看護師全員に必要なスキル「看護管理」

幅広い定義の「看護管理」
「看護管理」という言葉を知っていますか? 看護管理の定義は幅広く、患者の権利や機能を管理することにはじまり、医療安全管理、感染管理、チーム医療における現場の管理など、さまざまな管理があります。人材や労働条件などの組織管理もその一つです。こうした看護管理は看護師長や部長などの役職者だけではなく、看護師全員が意識しなくてはならないことです。
患者のベッドサイドが重要
看護管理は、実際に臨床現場で起こったエピソードを交えながら学びます。例えば、車椅子で移動する患者が転んだとします。医療安全管理の視点から、患者のケアはもちろんのこと、車椅子の整備状態や道路の安全性など、安全なケアを提供するために日頃から環境を周知しておくことが大切です。また医療事故が起こった場合、院内で責任の追及に終始するのではなく、次の事故を起こさないための対策や環境づくりが重要であることを学びます。さらに、末期患者の場合、家で過ごすのか病院で治療を受け続けるのかを本人やその家族と話し合って進めるのは現場の看護師だけではなく、役職者も加わることが必要です。患者の状況によっては、地域や福祉関係の人たちとの連携も大切です。こうした看護管理の基本的な考え方はすべて「患者のベッドサイドからわかること」であり、学生はこれら臨床のエピソードをもとに、自分たちもグループワークで話し合いながら、看護管理の重要性を学びます。
多重課題に対応できる看護師へ
昨今はチーム医療が主流となり、看護師には、専門技術や知識と並んで多種多様な人たちと関わりながら仕事に対応していく力や、より優れたコミュニケーション力が求められるようになってきています。しかし、中には日々の多重の課題に対応できずに悩んでいる看護師も見受けられます。さまざまな場面に直面しても、自ら考えて、チームで協力しながら適切な看護管理が行える人を育てる看護管理の研究は、今後も注目され続けていきます。
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