あなたは支持する政治家を、どうやって決めますか?
政治家を知るためには
私たちは選挙の際には政治家や政党に1票を投じます。では、どのようにして支持する政治家を決めればいいのでしょうか?
まず知りたいのは、政治家の個性や能力です。政治家の経歴やめざす社会のイメージは、マスメディアやホームページなどでの発信で知ることができます。また、その人の行動スタイルも重要です。たとえば、トップダウン型か調整型かがわかれば、その人が組織の中でどのように行動するかを予測できます。大切なのは、政治家がこれまでやってきたこととこれからやろうとしていることをよく調べ、代表としてふさわしいかどうかを考えることです。
政治家を取り巻く環境
選挙制度や内閣制度、国会のしくみといった、政治家を取り巻く環境について知ることも重要です。たとえば、現在の衆議院の選挙制度は小選挙区比例代表並立制です。小選挙区では、政党が公認する候補者は1つの選挙区に1人のみです。そのため、政治家にとっては党から公認を得られるかどうかが重要になります。その代わり党の方針に従うことになります。政治家がどのような政党に所属していて、どのような政策を支持しているのかを見極める必要があるのです。
従来は、後援会・業界団体・労働組合といった特定の組織が、政治家に対して要求を届け、政治家と有権者の間をつなぐ役割を担ってきました。しかし、近年ではそのような組織が弱体化しています。一方、今はSNSなどのメディアを通じて積極的に発信する政治家もいます。そういったメディアを使って、私たちの側から政治家に質問を投げかけ、議論を深めるのも一つの方法です。
歴史に学び冷静に判断する
現在の環境の中だけで考えるとわからない問題もたくさんあります。そんな時に参考になるのが歴史です。過去の社会の動きと政治家の行動や発言について知り、現在と比較することで、相対化して考えることができます。
現在の雰囲気や人気だけに左右されると、めざす社会が実現できなくなるかもしれません。知識と情報にもとづき、客観的に見て考えることが重要なのです。
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先生情報 / 大学情報
宮崎公立大学 人文学部 国際文化学科 国際政治経済専攻 准教授 下村 太一 先生
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