
化学・生物学・理論科学が融合する場所
名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)は、2013年に設立された世界トップレベルの研究拠点です。ここでは、合成化学・生物学・理論科学を融合し、「トランスフォーマティブ生命分子」と呼ばれる新しい分子の創出をめざしています。単なる分子の発見にとどまらず、環境問題や食糧問題、医療といった社会が直面する課題を解決できる分子を開発しようとする、挑戦的な研究です。
拠点の特徴と研究環境
この研究所の最大の特徴は、分野の壁を取り払った独自の研究環境にあります。研究室の枠にとらわれない「ミックス・ラボ」や「ミックス・オフィス」では、化学者・生物学者・理論科学者が同じ空間で研究を行い、日常的に意見交換をしています。「分子」を共通言語として議論することで、専門分野の違いをこえた新しい発想が生まれ、これまでにない研究が次々と生み出されています。このような環境は偶然の出会いやひらめきを促し、研究のスピードと質を高める原動力となっています。さらに、その成果は論文や特許として発表されるだけでなく、企業との共同研究や技術移転を通じて社会へと還元されています。
具体的な研究内容とその可能性
WPI-ITbMでは、「植物ケミカルバイオロジー」や「化学時間生物学」といった新しい研究分野を切り開いてきました。現在は、植物の環境適応の仕組みや寄生植物、体内時計と病気の関係、バイオイメージング、さらには気候変動への対応など、幅広いテーマに取り組んでいます。これらの研究は一見異なるようでいて、「分子」という視点でつながっており、基礎から応用まで一体となった研究が進められています。
たとえば医療分野では、肥満や生活習慣病に対する新しい治療薬の研究が進められています。この分子は、心臓や骨への副作用を抑えながら脂質異常症や脂肪肝といった病気へ高い効果を発揮する可能性が示されています。今後の研究が進めば、脂肪肝や心血管疾患といった病気の根本的な治療につながることが期待されています。分野をこえて知識を結び、新しい価値を生み出す―WPI-ITbMは、未来の社会を変える研究に挑み続ける最前線の拠点です。
拠点長から高校生に向けたメッセージ

「Mix」、これがWPI-ITbMのモットーです。化学、生物学、理論科学の研究者が、研究分野の垣根をこえ、一つ屋根の下で「異分野融合研究」を進めています。さらに、国籍・文化の異なる人がMixすることで、より大きな問題に挑戦できるのです。世界の誰も知らない現象を初めて明らかにする興奮、そこへ至るワクワク、楽しすぎる毎日がWPI-ITbMにはあります。ワクワクを原動力に研究したい皆さん、私たちと、ぜひ、一緒に研究しましょう!






