宇宙人がいる可能性は、どうやって測る
地球に生命が生まれたわけ
宇宙人。この存在はもはやSFの世界の話だけにはとどまらないかもしれません。天文学者の多くは、地球のような生命が存在する惑星を見つけたいという一心で宇宙を見つめ続けてきたのです。もちろん、そのような惑星は簡単に見つかるものではありません。なぜなら、地球は、太陽からの絶妙な距離と質量に恵まれたことで、今のような生命を生み出すことができたからです。
地球より太陽に近い金星は、大きさやその誕生過程は地球と大差ありません。ただし、太陽からの距離が近すぎるために灼熱の星となっています。そのような環境下では当然、水も蒸発してしまうので生命は存在できません。一方、人類が移り住む可能性を含めて最近調査中の火星はどうでしょう。火星は、金星と反対に地球よりも太陽から遠いせいで極寒の星であり、やはり生物の確認はできないようです。
また、地球が今の気温を保っていられるのは、太陽との間隔要因だけでなく、ガスをまとうことで温室効果が得られているおかげです。最近、それが地球温暖化の元凶のように言われますが、それも変動による程度の問題で、温室効果がなければ現在のような地球にはなり得なかったでしょう。ちなみに、火星もかつては温室効果を得ていたと考えられていますが、質量が地球の10分の1しかないためにガスを引き付ける引力が弱く、それを維持できなかったのです。
地球外生命体の存在する可能性はいかに
太陽系内ではどうやら望みの薄い地球外生命体ですが、ほかの惑星系では地球と同じような環境の惑星が存在し、そこに生存しているかもしれません。というのも、太陽系以外の惑星系は楕円軌道が主流であるなど異なる点もありますが、そもそも宇宙全体の元素の存在比率はどこでもおおよそ同じだからです。ですから、生物が存在するとすれば、地球と同じように炭素骨格から成る生命体である可能性は高いと言えるでしょう。
この先、宇宙観測技術が一段と進歩すれば、地球外生命体が発見される日が訪れるかもしれません。
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先生情報 / 大学情報
東京科学大学 理工学系(旧・東京工業大学) 理学院 地球惑星科学系 教授 中本 泰史 先生
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