宇宙を多面的に観測すれば宇宙人に出会えるかも?
望遠鏡400年の歴史と発展
2009年はガリレオ・ガリレイが望遠鏡を初めて使用してから400周年にあたります。その間、望遠鏡は目覚ましい発展を遂げ、直径10メートルもある望遠鏡や大気圏外に打ち上げられた衛星望遠鏡など、規模・精度を上げた最先端の望遠鏡が開発されています。
人間は目に入る光で対象物の像をとらえます。暗くなると、より多くの光を集めるために瞳孔が広がるのと同じように、望遠鏡も大きいほどたくさんの光を集めることができ、暗いものまで見ることができます。このため、大型化が進みました。またプールの底から水上を見ると風景が揺らいで見えるように、大気も宇宙を見る妨げになるため、標高の高い場所や大気圏外に望遠鏡を設置する試みがなされています。赤外線や紫外線、電波やX線など、さまざまな波長で宇宙を観測する技術も発展してきました。
地球外生命体の存在を観測する方法
宇宙を研究する切り口はいくつもあり、地球外生命体の存在を探るのもその1つです。そういったものを観測する方法は今のところ3つあります。
1つめは太陽系内の惑星に探査機を飛ばして、実地調査を行う方法です。2008年には火星の地中に氷が見つかり、水の存在が確認されたことで、生命体の存在の可能性がグッと高まりました。
2つめは電波の探査です。現在の人類と同等以上の文明を持つ知的生命体が住む星がある場合、人類が作ったBS放送の電波のように自然には存在しがたい電波を発している可能性があります。そのような電波を探すのです。
3つめは惑星に存在する生物起源の物質に着目し、その物質からの光を観測する方法です。例えば地球では、生命が誕生する前にはなかった酸素分子が植物の光合成で発生し、大気中に蓄積して上空でオゾンになり、独特の光の反射をするようになりました。その観点から、惑星からの光を分析し、生命の存在を探るのです。
どれもまだ決定的な結果は出ていませんが、観測技術が発達すればいつか地球外生命体の存在を知ることができるかもしれません。
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先生情報 / 大学情報
東京科学大学 理工学系(旧・東京工業大学) 理学院 地球惑星科学系 教授 中本 泰史 先生
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地球惑星科学先生への質問
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