俊輔選手の後継者を育てたい
ポジショニングが大事
サッカーをプレイするとき、ポジショニングや視野の確保はとても重要です。特に中盤の良い選手は、ボールが来る前に良い視野を確保できることが条件だと言えるでしょう。日本代表チームの試合を見ていても、かつての中村俊輔選手や遠藤保仁選手は視野が広くてうまいと感じられます。彼らのプレイに憧れる人も多いのではないでしょうか。
良い視野を確保するためのポジショニングは、指導が難しいところでもあります。試合中でなければ実際の視野は開けないからです。部活動などでは、よくボードを使って動きを指導しますが、平面だとなかなか実際の動きが想像しにくいものです。では、3Dの画面を使ったらどうでしょうか。「こういう動きをすれば、こういった視野が確保できる」と3Dの映像でシミュレーションすれば、コーチの意図が選手に伝わりやすくなり、ポジショニングの指導に大いに役立つことでしょう。
サッカー指導のためのソフト開発
実際は、次のような研究が行われてきました。まず、センタリングが上がったときなど試合中の状況を、いくつか実際にプレイしてもらって撮影します。そして、その映像を3Dのアニメーションにするのです。選手は視野を疑似体験できるので、試合中の動きがイメージしやすくなるでしょう。
このアイデアは指導者に好評でしたが、CGをつくるのには大変な時間と労力がかかります。最近のテレビゲームのCGは質が高く、子どもたちもCGを見る目が肥えています。あれほどのCGをつくるのは非常に難しいため、残念ながら広く実用化されるまでには至っていません。
サッカーと工学という組み合わせは、なかなか結びつかないかもしれません。しかし、良いサッカー選手を育てたいという思いで、このような研究が行われることもあります。実際のピッチでプレイするのとは随分違いますが、こんなサッカーへのアプローチ方法もあるのです。
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