なぜ、あんな小さな携帯電話にいろいろな機能があるの?
声が届くメカニズム
携帯電話から遠く離れた相手の声が聞こえるのは、どうしてでしょうか。その答えは、「デジタル信号」であるからです。デジタル信号とは、「0」と「1」の2つの数字を並べた信号のことです。人の声は、直接電波に乗せて遠くに飛ばすことができません。したがって、「電子回路」の中で声をデジタル信号に変えることで、それを電波に乗せて遠くに飛ばしているのです。
電波を飛ばすだけでなく、相手の電波を受け取ることも、会話をするためには必要になってきます。電波を受信する際には、電子回路の中の主役である「トランジスタ」に活躍してもらいます。電波に乗って遠くからやってきたデジタル信号は、受信の際には弱った状態にあります。それを本来の状態にしてあげるのが、トランジスタの役割です。そのおかげで、元気になったデジタル信号を声に変換し、私たちは相手の声を聞くことができるのです。
極小のうつわ
私たちの声を届けるのに一役買ったのが、電子回路とトランジスタでした。これらは別々ではなく、携帯電話の内部にある「あるもの」の上に一緒に搭載されています。そのあるものとは、「集積回路」です。集積回路は、いわば「極小のうつわ」です。それは、電子回路やトランジスタだけでなく、さまざまな機能を持った部品を1つにまとめて搭載できる、およそ5ミリ角のチップです。
この極小のうつわのおかげで、携帯電話の小型化が実現しました。携帯電話が登場して間もない頃は、電子回路やトランジスタなどを別々に搭載していました。そうすると、それらを置くための広いスペースが必要となるため、携帯電話を大きくしなければなりませんでした。しかし、集積回路が発達し、それらを1つのうつわの上にまとめることができるようになったため、携帯電話の小型化が実現したのです。つまり、極小のうつわが携帯電話を小さくしたのです。
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