模擬国連について
大使になって、国際会議
模擬国連をご存じですか? 模擬国連とは、参加者が各国の大使になり、実際に国際会議で扱われている世界のさまざまな問題について話し合いをするものです。この歴史は古く、1923年にハーバード大学ではじまりました。今では、中学や高校、大学で学習の一環として行われることが多くなりました。日本でも学生主催の全国大会などが開かれています。国際理解を深めることができるディベートとして、注目されています。
どうやって話し合うの?
模擬国連は、会場に国連の旗を掲げ、大使は自国の旗のマークのはいったIDカードを下げて行います。そんな雰囲気作りも大切です。全米大会ともなると会場に本物の国連本部を使っているぐらいです。
模擬国連は、スピーチ、交渉、決議の採択という流れで行います。もっとも重要なのは交渉です。参加者は、自国の利益につながる決議案を考えます。そして、利害が異なる国の大使にも耳を傾けてもらえるように、十分なリサーチをして、スピーチ、交渉に臨みます。一方的に自分の意見を相手に押しつけても議論になりません。大切なことは、自国の利益も交渉相手の利益も損なわないような決議案を模索することです。このプロセスを通して合意形成能力が高められます。
英語を話せない人でも
英語だけで行う模擬国連もあります。英語が不得意な人はどうしたらいいのか、と心配になるかもしれません。でも、大丈夫です。模擬国連では、自分の意見に賛同してもらうために、必ず相手に通じるように話すからです。聞く方も、相手が何を言いたいのかを、必死に考えながら聞いてくれます。また、外国語の方が、シンプルなやりとりになり、問題の本質が見えてくることもあります。外国語の方が、じっくり考えてから話したり、完全にわかるまで聞き直したりすれば、母語より確実なコミュニケーションになるのではないでしょうか。
外国語での議論はたいへんです。その分、頭をフル回転する快感を味わえることでしょう。
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