講義No.02193 教育

「先生になりたい人」必見! 楽しい授業の秘訣とは?

「先生になりたい人」必見! 楽しい授業の秘訣とは?

「話すこと」より「話し方」

面白い授業とそうでない授業、その差は一体何でしょうか? 要因は場合によってさまざまありますが、中でも大きいのが「話し方」です。これはお笑い芸人と似ています。同じネタでも、言う芸人によって面白くもつまらなくもなるように、教える内容が同じでも、楽しくもつまらなくもなるのです。
例えば英語の授業で、教科書のテーマが環境問題の場合。これを、「はい、今日は28Pからやります」というような事務的な始め方や、プリントを配るだけの機械的な授業をしてしまっては、いくら内容が優れていてもやる気が起きにくいでしょう。ですが「エコカー減税やっていますね~」という雑談からスタートし、授業に関連していることをさりげなく伝えていけば、教わる側の気持ちも違ってきます。このように、お笑い芸人と同様、軽妙なトーク(話し方)は重要な鍵となるのです。

テレビショッピングは授業の見本

またテレビショッピングも、授業の見本そのものと言えます。まず注目すべきは、視聴者にふと「あ~良い商品だなあ」「お得だなあ」と思わせてしまう話術です。例えば「商品は5袋」と言う時に、「本当は3袋だけど5袋」と言い、お得感を出すことで聞き手に対して印象が良くなります。これは話している結論は同じでも、話し方で印象が変わる好例でしょう。
また、テンポのよさも学ぶべきポイントです。授業でも、テンポを殺さないように意識することはとても重要だからです。例えば、プリント配りをバタつかずスムーズに行えるか否かは、生徒からの印象を大きく左右してきます。これはささいなことだと思われがちですが、決して軽視できることではありません。実際に新人教師とベテラン教師の印象の違いは、プリント配りのスムーズさなどテンポの部分によるものが大きいことがよくあります。
このように、いい授業をするには、話す内容に加え、軽妙さやテンポが必要なのです。授業をより大きな視点から見てみると、新しい世界が広がります。

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国際教養大学 専門職大学院 英語教育実践領域 教授 内田 浩樹 先生

国際教養大学 専門職大学院 英語教育実践領域 教授 内田 浩樹 先生

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メッセージ

物事を印象で判断しないこと、それが社会で活躍する一番の鍵となります。例えば今流行っているエコ換え。これは、エコ換えする際に捨てた商品の処理や、新しく購入する商品の生産過程などを踏まえると、結果としてCO2を増やすかもしれない、とも考えられます。
物事には、プラス面とマイナス面が必ずあります。何事にも、完全無欠なんてあり得ません。物事のプラス面とマイナス面を見極め、見比べて、判断する。こういう理論的思考をぜひ磨いてください。これができれば、大学の勉強は終わったも同然ですから。

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国際教養大学の挑戦―それは、従来の日本の大学では実現が難しかった課題に向けて「国際教養」という新しい理念を掲げ、その特色を最大限に生かし、グローバル化が進む国際社会を舞台に存分に活躍できる優れた人材を養成することです。本学では斬新な教育プログラムに可能性を見い出した個性的な学生たちが、全国各地から集まっています。「ありきたりの大学生活では物足りない!」と考えているみなさん、「壮大な夢を抱く仲間たちとともに輝いてみたい!」と願うみなさんは、ぜひ一度本学を訪れてください。