結婚したら子どもができるか
不育症とは何か?
「不妊症」は妊娠できない人のケースですが、「不育症」は妊娠しても流産を繰り返してしまう人たち、子どもが育たない人たちを言います。不育症では妊娠したと思っても、早い時期に、あるいは生まれる前におなかの中で亡くなってしまいます。いわゆる死産です。1回くらいなら、妊娠した人の15%が経験します。流産しても、次の妊娠でうまくいけばいいのですが、何度も流産を繰り返す、いわゆる不育症の人たちはカップル全体の5%もいます。決して珍しいことではありません。
流産を繰り返す人の苦しみと治療法
結婚すれば子どもができるのが当然と考えるかもしれません。しかしそうすると、なかなか妊娠しない人は、「みんなにできることが、どうして私だけできないの?」と深く思い悩むことになります。不育症があまり知られていないだけに、自分が経験してはじめて、「みんなができているのに、どうして私だけ流産してしまうの?」と苦しみも一層深くなるのです。しかも、流産は昔から女性の不摂生と言われてきましたので、「仕事なんかしているからいけない」などと言われます。もちろん、それは違います。本当のところは赤ちゃんやお母さんの病気が原因で、努力が足りないとか何かがいけなくてということではありません。しかし、多くの人が今もそのことを隠しがちです。夫婦だけでその悩みを抱えています。
不育症には主に三つの原因があります。ひとつは、子宮に問題がある場合で、流産を繰り返してはじめてわかります。これは手術で改善されることがあります。次に夫婦どちらかの染色体に変化があって、卵と精子の遺伝子がアンバランスを起こしている場合があります。こういうカップルは正常な卵子も精子も一定の確率でできていますから、流産を繰り返しても出産は可能です。三つめは、抗リン脂質抗体症候群といって、胎児を攻撃するような物質を血液中に持っている場合ですが、これは比較的治療しやすく、血液検査で見つかります。 このように原因がわかる不育症は治療できるという知識の普及が重要です。
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