実写と合成され、よりリアルになるCG
コンピュータ・グラフィック制作の実際
三次元のコンピュータ・グラフィックス(3DCG)の制作で、まず最初に行うのはモデリング(形状の生成・編集)です。3DCGに使われる三次元形状データにはいくつかの種類がありますが、代表的なものはポリゴンと呼ばれ、多角形の集合により形を表現します。市販される3DCGソフトの操作画面は、一般的に上面、正面、側面の三方向から見た三面図と、任意の方向から見た透視図の四面から構成され、それぞれの画面で視点や視軸を変更しながらポリゴンモデルの形状を評価・編集していきます。
次に行うのは、色・質感の設定です。色・質感は通常、ひとつのモデルにおいて単一ですが、「テクスチャーマッピング」という手法を用いることにより、デジタル画像を壁紙のようにモデルの色・質感に貼り付けることも可能です。
最後は、こうして作られたオブジェクト(物体)に動きを与えます。各オブジェクトが持つさまざまな属性(位置、回転、スケール、色、質感など)の時間軸に対する変化を定義していくことで、3DCGの動画が完成します。
フォトリアルな表現
CGは現在、テレビ番組やCM、映画など身近なところでたくさん見かけるようになりましたが、こうしたコンテンツのほとんどはCGと実写を素材とする合成映像であり、全編をコンピュータで制作したフルCGと呼べる映像はごくわずかです。
CGと実写の合成をフルCGと比較した場合、制作コストが低い点や、制作時間が短い点において合理的な映像制作手法ということができます。しかし、こうした映像制作には、フォトリアルなCGの生成技術と画像合成技術が必要となります。多くのCG制作会社では、こうした技術を個人のスキルに頼るため、作品ごと、あるいはシーンやカットごとの品質にばらつきを生じることがあります。
ですから、個別スキルに依存しない、誰もが一定水準のCG実写合成を可能とする開発プロセスの標準化を目的とした、CG技術および画像合成技術の研究が求められているのです。
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