私たちの日常生活のルーツは西洋にあった!
現代日本人の生活はどこからやってきた?
あなたは、「西洋文化」と聞いて何を思い浮かべますか? 『モナ・リザ』などの絵画? モーツァルトの音楽? それらも確かに西洋文化の一部ですが、西洋文化はそれだけではありません。
あなたが朝起きてからの一日の行動を考えてみましょう。洋服を着て、朝食にパンを食べ、電車やバスに乗って学校や会社に行きます。日本人のごく普通の日常ですが、これらはすべて、西洋から入ってきた生活様式です。また、「銀行」などの経済システムや「民主主義」といった社会の仕組みも西洋で生まれた文化です。では、なぜ東アジアに住む私たちが西洋式の生活をしているのでしょうか?
世界に広がった西洋文化
いまや、日本だけでなく世界中の人々の暮らしに西洋由来の文化があふれています。その理由を解き明かすためには、世界の歴史を知ることが必要になります。西洋、つまりヨーロッパの人々が世界各地に進出し始めたのは、今から約500年前、大航海時代と呼ばれる時代のことでした。それ以来、ヨーロッパ人は多くの植民地をつくり、世界を支配しました。そして、「先進国」であるヨーロッパの文化がグローバル化と共に世界に広がっていったのです。
西洋と東洋が出会った「ヴェネツィア」
しかし、500年前までは、西洋よりも東洋の文化のほうが進んでいました。例えば、製紙法や火薬は中国から、数学や科学の知識はアラビアから、ヨーロッパに伝わりました。その入口の1つだったのが、イタリアの商業都市ヴェネツィアです。ヴェネツィアは東洋との貿易で栄え、絹や香料などの商品と共にアジアの進んだ文化を取り入れました。ヴェネツィアではまた、銀行や保険制度の基礎ができ、合理的で安定した政治体制が確立されました。それらはヨーロッパのほかの国々にも影響を与え、近代西洋文化の発展に役立ったのです。
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先生情報 / 大学情報
桃山学院大学 国際教養学部 英語・国際文化学科 教授 和栗 珠里 先生
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