「小さな文化」を知ることが生きる力に

「小さな文化」を知ることが生きる力に

「文化」を語るうえで陥りがちなこと

多くの人は「文化」について語るとき、「日本は」「アメリカは」という大きな枠組みで語りがちです。しかし、各国の文化についてのイメージは固定観念に陥りがちです。実際には、同じ国の人々でも、異なる方言、異なる食文化、異なる生活様式を持っています。ですから、私たちの日常生活を考えるとき、私たちが所属している家族や学校、職場といった「小文化」について考えることがより適切なのです。自分の生きている小集団に照らし合わせると、少なからず差異のあるケースが多いからです。

同じカテゴリーでも、異なる文化を持っている

例えば「学校」。あなたの高校の雰囲気や文化は、あなたの中学校の雰囲気や文化とは違っていませんか? 生徒の話し方も違えば、先生の教え方も異なっていることでしょう。同様に「会社」や「クラブ」も、同じカテゴリーでもそれぞれ固有の文化を持っていますから、実際に生活する場合には自分の属している文化を無意識のうちにふまえて、日々を過ごしているはずです。このように「小さい文化」が存在することをあらかじめ念頭に置いておけば、新たな集団に入ったときのカルチャーショックを小さく抑えられ、スムーズに過ごすことができるようになります。

文化が違えば、言葉も違う

社会に出ると、より多くの「小さな文化」に触れる機会が増えるでしょう。その際に注意すべきなのが、それぞれ文化の違いがあるように、同じ言葉でも固有の使い方があるということです。例えば、医療機器メーカーに就職したら、今まで目にしたことのないような専門用語に触れます。さらに職種によっては一見して単語としての意味をなさない略語や俗語に近い言葉を用いることもあります。このような「小さな文化」に触れていくことで、社会に対応する力がついていくのです。

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神奈川大学 国際日本学部 国際文化交流学科 教授 イートン・フレデリック・チャーチル 先生

神奈川大学 国際日本学部 国際文化交流学科 教授 イートン・フレデリック・チャーチル 先生

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文化学、語学

メッセージ

人間、年を取るとどんどん自分のために使える時間が減っていきます。仕事や家事、雑務など多くのことに少しずつ時間を奪われ、自由に過ごせる時間が限られてしまうからです。本当にあっという間に一日が過ぎていきます。ですからまだ自分のために使える時間がたっぷりあるうちに、腰を据えてひとつのことに取り組むことをお勧めします。自分の興味のあることでいいですから、何かひとつ、奥深い知識を身につけましょう。いま自分にとって大切なことに時間を使うことで、将来に役立つ何かを得ることができるでしょう。

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1928年創立以来、真の実学をめざし、自ら成長できる人材を育成してきました。近年では2021年、グローバル系3学部が集うみなとみらいキャンパスが誕生。2022年、「建築学部」を開設、2023年には理工学部を改組し「化学生命、情報学部」を開設。文理11学部すべてを横浜エリアに集結させ、世界レベルをめざす総合大学として、新たな一歩を踏み出しました。
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