社会人基礎力はどう育つ?
マーケティングを「社会人基礎力」の修得に活用
企業が顧客を獲得するにはどうしたらよいのか。そして、その獲得した顧客をどうつなぎとめるか。これらを考えるのが「マーケティング」です。また、職場や地域社会の中で、多様な人々とともに仕事をしていくために最も必要な力のことを、「社会人基礎力」と言います。マーケティングを学びながら社会人基礎力を伸ばすための仕組みとして、大学での授業が、経済産業省より「平成19年度産学連携による社会人基礎力の育成・評価事業」に採択されました。
「本物」の商品企画から得られるもの
マーケティングの研究が、社会人基礎力の修得につながっているとはどんなことでしょう。某一部上場企業の商品開発担当者を相手に、新商品の企画提案をする授業を行っています。これを先輩と後輩のチーム編成で行うことにより、商品企画の進め方や企業の人に認めてもらうためのプレゼンの仕方を学べます。また、それだけでなく、チームで作業するためには何が必要かを体感し、ダメ出しされても粘り強く提案し続ける根性も養われます。実際に数万個も売れる可能性がある商品企画を通して、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」といった社会人基礎力を伸ばしていきます。
大切なのは物事を多様な観点で見ること
狭い範囲のコミュニティにとどまっている学生たちは、狭い視野でしか物事を考えられません。さまざまな世代・立場の人の気持ちに触れないと、社会に出て幅広い年齢の人たちとうまく付き合うことはできないでしょう。そこで、学生のうちから、新入社員や管理職、はては経営者まで、幅広い年齢層の企業人との交流の場を持つことが有効なのです。さまざまな人たちと意見を交わすことで、同世代の学生としか交流しない学生に比べ、驚くほど多様な観点で物事を見ることができるようになります。また、その結果、就職活動時や入社後だけでなく、10年後の自分の理想の姿を描くことも可能になるのです。
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先生情報 / 大学情報
中京大学 総合政策学部 総合政策学科 教授 坂田 隆文 先生
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