スマホには社会を変える力がある! 活用の幅を広げるには?
スマホは情報の出入口
携帯電話は1980年代に登場して以来めまぐるしい進化を遂げており、特にスマートフォンは小型パソコンといってもいいほど高機能になりました。スマホから収集された位置情報、入力した内容などのデータは社会のさまざまな場面で活用され始めています。常に手元にあり、情報の出入口となっているスマホをうまく活用し、社会をより良くしようと研究が行われています。
いつでも医療が受けられる
実践例のひとつが医療アプリです。体調不良を感じたとき、通常なら病院に行くでしょう。しかし病院が遠かったり、夜中で近くの診療所が閉まっていたりと、さまざまな理由で医療機関にアクセスできない場合があります。そこで症状を入力すると医師や看護師が24時間365日、いつでもチャットで答えてくれるスマホアプリが開発されました。必要に応じてビデオ通話での診察や、位置情報を元にした近くの病院の紹介、オンラインでの薬の購入も可能です。スマホによって、「医療」にアクセスするハードルが下がったといえます。
スマホでの診察は医療現場にもメリットがあります。本当に病院での医療を必要としている人を見極めやすくなるからです。特に医師不足に悩んでいる病院にとって、これは大きなメリットなのです。
普及率を上げるために
スマホで社会を変えるためには、すべての人にスマホを浸透させることが重要です。しかし日本では高齢者のスマホ利用率が低く、固定電話やガラケーを使っている人も多くいます。そこで2022年頃から日本政府はシニア世代のスマホ普及率向上に向けた取り組みを始めました。また、北海道の更別村では、65歳以上の高齢者全員にスマホを配布し、村のサービスをオンラインで提供しており、役場に直接出向かなくても必要なサービスを受けられるようになりました。病院に行かなければならないときも、アプリを使って巡回バスを呼ぶことができます。ほかの地域でもスマホを普及させてサービスの効率化を実現しようと、研究が続いています。
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名桜大学 人間健康学部 健康情報学科 教授 木暮 祐一 先生
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