リニアモーターカーからガンダムまで!? 超伝導は未来を変える
超伝導ってどんなもの?
超伝導の代表的な特徴の一つとして、超伝導物質を低温に冷却したときに電流を電気抵抗ゼロで流すことができます。これは大電流を無駄なく流すことにつながります。その結果、エネルギーを無駄なく伝えることが可能になります。無駄がないのでエコロジーの視点からも注目されていますし、従来の電気エネルギーを送る技術に比べて省スペースも実現できます。
超伝導の活用方法
超伝導を用いた技術として、日本ではリニアモーターカーがあります。超伝導の抵抗なく電流を流せる現象を用いて電磁石を作り、強力な磁場を発生させて車体を浮上させる仕組みです。
ほかにも病院で検査に使うMRIや脳磁場を計測するSQUID、タンパク質を分析するNMRなどにも使われていますし、アメリカでは携帯電話の基地局にも採用されています。
また、原子力エネルギーに続く技術として注目を浴びている核融合エネルギーの装置にも用いられています。実は『機動戦士ガンダム』のモビルスーツは、核融合エネルギーで動いているという設定なのです。子ども時代にマンガやアニメで見ていた世界は、大人になってから身近な技術として実用化されているので未来を予測する指針なのかもしれません。
今後の可能性
超伝導は効率よく大きな電流を流せるので、出力の大きい電力機器への活用が研究されています。
例えば、変電所に用いられている変圧器、送配電に用いられる電力ケーブル、電気エネルギーを貯めるための装置と実用化に向けて一歩一歩前進しています。
要素研究としては、直流では抵抗をゼロにでき損失が発生しないのですが、一般社会で利用されている交流だと損失が発生するので、それらを低減する方法が模索されています。
パワフルでエコロジーな超伝導がさまざまな方向で実用化されれば、未来は変わるかもしれません。
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