やりたいことを実現するための、あなたの行動を変える心理学
ダイエットしたいのにできないのはなぜか?
私たちは、「やろうと決めたことは、できるはずだ」と思っています。しかし、「ダイエットしよう」と決めても「できない」体験をした人は多いはず。なぜなら、人間の行動は一度パターン化されてしまうと、変えるのはとても難しいからです。そこで役に立つのが、「行動変容」の理論です。自分の行動をよく観察し、望ましい行動を増やし、少しずつ目標に近づけることが大事です。行動を変えるためには、目標を細かく設定する必要があります。ポイントは「具体的」「明確」「実現可能」です。
例えば体重を10キロ減らしたいなら、「間食をしないように頑張る」ではなく「1週間風呂上りのアイスをやめる」などとしてみます。実現できなかったら、「月、水、金だけやめる」とハードルを下げます。目標が達成できたら、新たな目標を作ります。
自己効力感と無力感
こうして変化が出てくると、自分の働きかけで変化を起こせると感じることができます。これを「自己効力感」と言います。自己効力感を高めることができると、行動変容も起こりやすいと言われています。
この逆の要因が「無力感」で、「うつ」との関連が言われています。自己効力感を高めるには「成功体験を積む」ことが役に立ちます。また、今の日本の子どもたちは、自尊感情が低く、年齢が上がるに従って低下していくことが報告されています。自尊感情を高めるには、本人を認め、「次はこれくらいできるといいね」と周囲の応援が必要です。
このように、大人も子どもも、自己効力感、自尊感情などが重要な概念であると言えます。
さまざまな現場で使われる心理学
自己効力感を高める心理学の手法は、薬の飲み忘れを防ぐ支援や、慢性疾患のセルフケア支援など、医療現場でも活用されています。また、児童のやる気を高める工夫、自尊感情の年齢による変化などは、教育心理学や発達心理学の領域で研究されています。
臨床心理学は、心理学の知識を応用して、さまざまな現場で有効に活用できるよう実践的な研究をしているのです。
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