新興住宅地では公園や公民館が大切な役割を担っている
新興住宅地の公園や公民館の在り方
新たに住宅地が造成される場合、公園や公民館が設置されます。多くの場合、法律で緑地の割合が決まっているという理由で造られている、といったケースが見受けられます。しかし、公園や公民館は本来法律とは関係ない、別の大きな役割を果たすスペースです。
地域コミュニティの核となる施設を創出する
新興住宅地に移り住む人たちは、ほかの地域から来る人です。そのため、お互いに知り合いではなく、隣の人がどんな仕事をしているのかも知らない状態です。そんな状態から地域コミュニティを形成するきっかけとなるのが、公園や公民館です。
新興住宅地に新しく住む人たちは若い人が中心となります。乳幼児がいたり、これから子どもを産んだりする世代です。子どもたちが公園で遊び、保護者たちが自然な形で会話することで、新興住宅地での地域コミュニティが育まれていきます。
しかし、公園のような開かれた場所には不審者が現れる場合もあり、そんなときには安心して子どもを遊ばせることができません。このような不安を取り除くための建築設計も必要です。例えば、「公園のような建築物」「建築物のような公園」の在り方です。具体的には、公民館の中庭のような場所に公園を設置することも提案できますし、公園と空間的に一体となった建築を提案することもできます。
機能や役割を考えた設計
また新興住宅地の周りに、古くからの住宅地が広がっているケースもあります。その場合、公民館などで文化教室などを開催することで、新旧の住民の交流するきっかけが生まれることも考えられます。
保護者と子どもが家の中でずっと同じ時間を過ごし続けると、虐待の原因になるおそれがあると言われています。地域コミュニティを形成し、保護者同士のコミュニケーションをはかり、古くからの住民とも交流ができる公園や公民館の存在は重要で、その機能や役割を深く考えた設計が大切なのです。
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