ラグビーチームを強くする数々のサポートとゲーム分析
強いチーム作りに必要な準備
スポーツで強いチームを作るためには何が必要でしょうか。昔は名将と言われる監督の経験知で、練習メニューや戦術などが組まれていましたが、1990年からの20年ほどでスポーツチームを強くする方法は激変し、多くの役割が必要になりました。トレーニングやコーチングのメニュー考案、戦術プランの構築、栄養面や心理学など医学的なサポート、そして環境整備などです。さらに、コンピュータで自分たちの試合や相手チームの分析をすることも重要です。
これらの役割のサポートを受けて、勝つという目標のために何を準備したらいいかを膨大なデータをもとに考え、適切なスケジュールで計画を進めて、選手たちをグラウンドに送りだすのが監督やコーチなのです。
ゲーム分析とは
例えばラグビーは1試合80分ですが、映画に例えると90から100のカットに分かれています。1カットは短いものだと10秒以内、長いもので2分程度です。そのカットにはシナリオがあります。強いチームほど長いシナリオを作り、それが試合で実行できるように準備をしています。もしも誰かがミスをしてそのカットが途中で切れ、シナリオ通りに進まなかったら、次にできるようにするためにはどうしたらいいかを考えます。準備をして計画を立てているからこそ、現実の試合とのギャップがわかるのです。しかも強いチームほど、準備を超えたことが起きたときの対応力もあります。それが勝ち負けを左右することもあるのです。
企業経営との共通点
スポーツのマネジメントは企業経営と共通している部分が多く、上で述べたようなことも経営学の「PDCA(計画、実行、チェック、行動)」というサイクルと同じです。
以前は企業がスポーツの世界にマネジメントのヒントを求めていましたが、最近では企業経営の研究が進んで、スポーツ界が逆に経営論を参考にすることもあります。
スポーツと企業経営の理論は相互に影響を与えあっているのです。
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先生情報 / 大学情報
明治大学 経営学部 公共経営学科 教授 田中 充洋 先生
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