自然エネルギーを用いた未来の電力供給システム
電力も自給自足の時代へ
海外においては、2003年に発生したアメリカ・ニューヨークとイタリアの大停電をきっかけに、電力の安定供給に関して注目されています。また、日本では2011年の東日本大震災などに関連して、エネルギーの供給方法についても社会的な問題となっています。
そこで、自然エネルギーを用いた発電方式の研究が多面的に実施されています。太陽光発電装置、風力発電装置などと蓄電池を導入した「交流/直流のハイブリッド給電方式のマイクログリッド」を構成し、電力の自給自足について研究が行われています。現在では、さらに電気自動車の給電器や電気自動車用の発電機も開発されています。
マイクログリッドを簡単にいうと、スマートグリッドと関係があり、これまでの電気エネルギーの供給方法に、自然エネルギーを用いた発電方式を取り入れたものです。
省エネをするための試み
私たちの家庭で使用している電気は交流電源ですが、太陽光発電、燃料電池発電のように直流電源をそのまま家庭に使用する研究も実施されています。この研究に関しては、現在住宅メーカーも積極的に開発しており、実現できればこれまでの家電製品の電気の使用量から3~10%程度の削減が期待されています。
電気を大切に使う
太陽光発電装置や風力発電装置で、電気エネルギーを作ってみると、本当にわずかなエネルギーしか作ることができないことがわかります。言いかえると、私たちが使用しているエネルギー量がいかに大きいのかがわかります。
そのため、現在のエネルギー問題や二酸化炭素問題などを解決するために、将来、住宅で使用する電力は、各住宅で生産し、本当に不足した電力だけを電力会社から購入したり、ある地域でエネルギーの地産地消や融通を行ったりする時代がくるかもしれません。
自然エネルギーによる発電方式、最近のデジタル家電、電化製品に関しても、消費する電力に関しても、正しい知識を身につけ電気エネルギーを使っていくことが重要です。
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先生情報 / 大学情報
愛知工業大学 工学部 電気学科 教授 雪田 和人 先生
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