大成功する秘訣は、「イノベーション」にあり
ダイナミックな体験から学ぶ
アンドリュー・カーネギーを知っていますか? 19世紀、アメリカで製鉄業を成功させて10兆円を超える資産を築き、「鉄鋼王」と呼ばれた人物です。経営学は、過去の事例から多くを学びますが、カーネギーの成功体験のようなスケールの大きい事例は、企業経営で成功するには何が大切なのかを私たちに教えてくれます。
では、なぜカーネギーはビジネスで大成功することができたのでしょうか。それを解くカギが「イノベーション」です。
イノベーションが利益を生む
製鉄で起業する以前、カーネギーは鉄道会社で働いていました。当時の鉄道は最先端産業で、厳密なコスト計算で効率よく運営される巨大組織でした。カーネギーは、時代の先を行く最新の経営手法を鉄道会社で学びました。そして、製鉄業を始めるにあたって、鉄道会社の経営手法を全面的に製鉄の世界に導入したのです。その結果、カーネギーの工場は世界一効率のよい製鉄工場となり、莫大な利益を生み出しました。
カーネギーが鉄道と製鉄という異質のものを組み合わせたように、新しいアイデアでそれまでの常識を変えることを「イノベーション(革新)」と言います。イノベーションによって、例えば他社ではまねできない商品価値が生まれ、その結果、利益が生まれます。つまりカーネギーに大成功をもたらしたのは、彼が起こした大きな「イノベーション」だったのです。
馬車+馬車≠汽車?
「イノベーション」という用語を世に広めたのは、ヨーゼフ・シュンペーターという経済学者です。彼はその言葉の意味を説明する際、「馬車を何台つなげても汽車にはならない」とたとえました。汽車は、馬車とはまったく別の乗り物です。汽車をつくりたければ、馬車を改良するのではなく、汽車そのものを構想しなければなりません。つまり乗り物そのものを変える根本的な変化が必要です。同様に企業経営を成功させるには、これまでの延長にあるものではない、まったく新しいものをつくり出す創意工夫とチャレンジ精神が常に求められるのです。
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