組織で事故やトラブルをなくすための取り組み

組織で事故やトラブルをなくすための取り組み

トラブルを起こさない組織にするには

企業が事故や法令違反を犯し、謝罪会見を行っているのを報道で見ることがあるでしょう。こうしたトラブルを起こさない組織にするには、組織を構成する人の意識が変わらなければなりません。それには思いつきではなく、きちんと根拠のある手法が求められます。今、産業界ではいかに自らを事故などのトラブルを起こさない組織にするか、その手法に注目が集まっています。

組織が変わるための手法の例

いくつかの例を挙げましょう。組織は多くの部門に分かれています。効率化や生産性の追求は通常、部門ごとに行われます。すると、それぞれの部門で「ローカリゼーション(固有化)」が進みます。そして、やがて部門の文化が固有化しすぎてしまうのです。そこで、各部門から1名ずつ代表者を出してチームを作り研修を行うと、ほかの部門の文化を知り、よい部分を学べます。このような取り組みを組織横断型活動と言います。
また、「無駄が多い」「忙しすぎる」ということがさまざまなトラブルの元になっている場合もあります。それを改善する取り組みの一つが、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、業務の可視化です。人は自分の部署の仕事は把握していても、別の部署に渡してからは、まったく仕事の流れを把握していないものです。これを可視化すると、ある行為が別の部署で大変な手間を生む原因になっているといったことがわかってきます。
このような地道な取り組みを通して、組織は変わっていきます。

正しい価値観の共有を

会社の経営者は、会社が発展するようにという価値観で動きます。それも大事ですが、ひとたび事故や不祥事が起これば、それだけで会社が傾いてしまいかねないので、それを避ける価値観も重要です。そしてこの価値観は、管理職や一般社員も同じように持つべきものです。反社会的な価値観や、ばらばらの価値観を持っていては進む方向を誤ります。正しい価値観を共有することが、会社にふりかかるトラブルを回避する最良の道です。

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先生情報 / 大学情報

慶應義塾大学 大学院システムデザイン・マネジメント研究科  教授 高野 研一 先生

慶應義塾大学 大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 高野 研一 先生

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経営工学、マネジメント学、組織心理学

メッセージ

どんなに複雑で大規模な先端システムでも、運用するのは人間です。人間は個人と集団で考え方や振る舞いが違ってきます。多くの人が納得し、共有できる価値観に基づき、日頃の行動を冷静沈着に実行していく勇気と知恵が必要です。人間を科学的に探究し、意識や行動が間違った方向に行かないように、柔軟で創造的な「人間」「職場」「組織」をつくり上げていく方法に興味を持ってほしいと思います。

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