音楽は、「作る」「届ける」「考える」の3者がいてできあがる
技術の進歩で音楽自体が変化してきた
いまや音楽は、ポケットに入れて持ち歩くのが当たり前の時代になりました。しかし昔からそうだったわけではありません。録音技術ができる前は、音楽は、誰かが演奏しているその場でしか聴くことのできないものでした。そして、音楽がレコードやCDとして売られ、好きな場所で聴けるようになったことで、音楽自体も変わっていきました。例えば、レコードに録音できるようにするため1曲の長さを数分にとどめる、といった具合です。つまり、技術が進歩することで、それに合わせて音楽そのものも変わってきているのです。
サビしか知らない、歌手が誰かもわからない!?
最近ではすでに、CDを買うよりも、1曲ずつダウンロードして聴くという方が一般的かもしれません。または携帯の着メロとしてダウンロードして聴くため、曲を知っていると言っても、「サビ」の部分しか知らない、歌手が誰かもわからない、ということすら珍しくありません。そういう現象は、「アルバム」という概念をも変えるでしょうし、曲の作り方にも影響するはずです。またCDが売れなくなる中でレコード産業がどうやって生き延びていくかなど、音楽について考えるべき問題がいま数多くあります。
作る人、届ける人、考える人の3者が必要
音楽は決して、アーティストさえいればできるものでもありません。レコード会社やイベンターや配信業者がしっかりとしていてこそ、音楽が人々のもとへ届けられ、私たちが楽しむことができるのです。つまり音楽は、実際にその曲を「作る人」のみならず、レコード会社など作り手を支え作品を私たちに「届ける人」、さらには、批評や研究などという形で音楽について「考える人」の存在が欠かせません。特に、今後の音楽のあり方が不透明ないま、この3者がバランスよく存在することがとても重要になっています。音楽はいつの時代も人に大きな影響を与えてきました。それが今後どういう形になっていくのか、誰にとっても非常に興味深いテーマなのではないでしょうか。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。