遠い大陸・アフリカの今を知ることから育む「グローバルマインド」
アフリカはすでにモバイルマネー大国
1万キロ以上離れたアフリカ大陸に対して、日本人の多くは「サバンナを駆ける野生動物の群れ」「極彩色の民族衣装と躍動的な音楽」といったイメージを抱きがちです。それらは間違いではないものの、アフリカが持つ顔のひとつに過ぎません。近年アフリカ諸国の変化は激しく、例えばキャッシュレス化は日本より進んでおり、モバイル端末での決済や送金が常識となっています。もともと離れた家族や知人へ送金したいというニーズが高く、一方で銀行口座の所有率が非常に低かったことが、キャッシュレス化の急速な普及を後押ししたとみられています。
インフラの未整備が生むメリット
日本では高度成長期に交通網や住環境などのインフラ整備が進みました。アフリカでは水道や電気さえひくことができず、昔ながらのやり方でまかなう地域が多く存在します。日本の方がはるかに便利なようですが、現在インフラが老朽化し、リニューアルに莫大な費用を要する時期を迎えています。アフリカではお金をかけて巨大なシステムを作らなかった分、少額のメンテナンス費用でやっていけるメリットがあります。長いスパンで見れば、どちらが社会的、環境的により良いのか、一概に答えは出せません。
多様な価値観を認め合うことの大切さ
日本で暮らしていると、自分たちの社会や価値観が先進的で正しいと思ってしまうことがあります。アフリカやアジアには発展途上国も多く存在しますが、彼らの社会の方が進んでいる面や、人間の暮らしや地球環境にうまく適合している面もあります。
アフリカには納豆に似た食べ物があるなど、日本との意外な共通項もみられます。文化や社会のモノサシが違う場合、片方ではマイナスととらえることが、もう一方ではプラスととらえることもあり、共通の事柄はコミュニケーションの鍵となります。真の「グローバルマインド」を育てるためには、一人ひとりが自分と他者を正しく知り、多様な価値観を認め合い、柔軟な視点で関わっていく姿勢が必要です。
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先生情報 / 大学情報
京都精華大学 国際文化学部 グローバルスタディーズ学科 准教授 清水 貴夫 先生
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