子どもは売れっ子キャラクターデザイナー!?

子どもは売れっ子キャラクターデザイナー!?

子どものいたずら描きに「カワイイ」の種がある

いまや世界共通語ともなった「カワイイ」。いかに「カワイイ」キャラを創り出すかが、商品の売れ行きを大きく左右するようになり、キャラクターデザインにますます重きが置かれるようになっています。
こうして大人が血眼になって追い求める「カワイイ」キャラを、遊びながら、いとも簡単に描いてしまう天才がいます。それは、子どもたち。子どものいたずら描きには、頭から直接手足が生え出た「頭足人」と呼ばれる絵がしばしば登場します。どれもすぐにキャラクター化できるほど、愛らしいものばかりです。事実、「Drスランプアラレちゃん」のニコチャン大王や、「星のカービィ」のカービィなど、頭足人的要素を備えたキャラクターは根強い人気を誇っています。
子どもの描く絵の特徴はほかにも、棒のように細い手足と丸く大きい足先、それに大きな耳など。これは、ミッキーマウスなどのディズニーキャラクターやアキバ系萌えキャラに共通して見られます。

大人も「カワイイ」に挑戦できるかも

一般にかわいいと感じる特徴を挙げると、その多くは子どもの自由奔放な想像力が行き着く先と同じです。無論、美術における黄金比率など、「カワイイ」を説明するための理論も存在します。例えばアンパンマンをよく観察すると、その顔はすべてが楕円の要素で構成され、全体のプロポーションは「黄金比率(タテ:ヨコ=1:1.618)になっていることに気づきます。ただしすべてが理論で説明できるかといえば、それは疑問です。なぜなら子どもは意識せずにかわいい絵を描いているように思えますし、「キモカワ」という言葉があるように、あえて怖いものや不快なものを取り入れることで存在感を強め、人気を呼ぶケースもあるからです。
このように「カワイイ」と思う要因には、子どもの純粋さから怖いもの見たさまで、複雑な心理が絡み合っています。その中から、理論と直感によって「これだ」というデザインを引っ張り出すことこそ、キャラクターデザインの最も大事なポイントなのです。

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東京学芸大学 教育学部 芸術・スポーツ科学系 美術・書道講座 美術分野 教授 正木 賢一 先生

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