「グラフィックデザイン」という力

「グラフィックデザイン」という力

グラフィックデザインとは?

デザインにはさまざまな分野が存在しますが、その中でグラフィックデザインとは、人や社会に対し「何かを伝えること」を目的としたデザインを意味します。情報のデザインと言っても過言ではありません。新聞・雑誌・ポスター・テレビコマーシャルなどの広告をはじめ、パッケージ、書籍、サイン、そしてWebに至るまで、情報は既に現代の我々の生活に欠かすことのできない存在です。本来は色や形を持たない情報を、目に見える魅力的なモノとして創造するグラフィックデザインの可能性は、メディアの変革とともに今後さらなる広がりを見せることでしょう。

表現の時代から、知の時代へ。

世の中の構造や価値観が二十世紀の枠組みから大きく転換している現在、社会と密接に関わるグラフィックデザインの在り方にも変化が求められるのは当然です。もはやクリエイターとしてのデザイナーの役割も、情報を伝えるため、限りある紙面や映像の中に人々の感性を引きつける魅力あるビジュアルを表現するだけの領域にとどまりません。新鮮な情報コンテンツ自体を開発したり、機能的なメディアの新しい仕組みを創り出すこと、といったグラフィックデザインという考え方や能力が、さまざまなプロジェクトの場で、より深く重要な関わり方を要求されるようになっています。

グラフィックデザイナーにとっての普遍性

完成したものや常識とされるものを疑える視点、すなわちデザイナーの大切な能力とは、モノゴトの本質を見極めることです。しかし、この力は机上の知識の集積だけでは絶対に得ることはできません。深い観察と好奇心を基盤とした、質の高い表現創造へのあくなき追求と実践の繰り返しの中に生み出される力なのです。人々に夢やビジョンを提案するという社会的に重要な役割をになうグラフィックデザイナーにとって、「知の時代になった」と言われる現代においても、説得力を持つリアルな創造の大切さは普遍です。美術大学にデザイン教育が存在する意義もそこにあるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科 教授 澤田 泰廣 先生

多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科 教授 澤田 泰廣 先生

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グラフィックデザイン

メッセージ

思わず見入ってしまう一枚の美しいポスターや、記憶に残るインパクトあるTVCM、知りたいことをストレスなく伝えてくれるインターネット、初めての場所でも目的地へしっかりと導いてくれるサインなど、我々が日常生活の中で体感する、ごくあたりまえなモノや経験の裏側には、人や社会に何かを伝えることのデザイン、すなわち「グラフィックデザイン」の力が存在しています。私は学者でも研究者でもありません。それらを生み出す一人のクリエイターとして、グラフィックデザインの魅力とその可能性を、お伝えしたいと思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

多摩美術大学に関心を持ったあなたは

1935年の創立以来「自由と意力」を理念とし、社会に数多くの優れた芸術家やデザイナーや教員を輩出し続ける、日本を代表する美術大学のひとつです。大学院と美術学部のある八王子キャンパスでは約4,000人の学生が学び、作品制作する上で理想的な施設・設備を整えています。