可能性が広がる「コンピュータグラフィックス」
多岐にわたって使われているCG
コンピュータグラフィックス(CG)は、映画やゲームによく使われるほかにも、建築や医療など、さまざまな分野で使われています。最近では、3Dプリンタが登場したことで、CGはフィギュアなどの立体造形にも活用されています。通常のプリンタは平面にインクを乗せることで形や文字を表しますが、3Dプリンタは、3DのCGをもとに、空間の中に樹脂を出力し、立体的なものを作り出す仕組みです。
迫力満点の恐竜を再現できる
CGの面白いところは、エンジニアリング的な技術分野とアート的なものが、うまく結びついて表現できることです。例えば恐竜の化石のいろいろな部位が別々に発見されるとします。個々の部位について、専門の古生物学者は研究しています。ところが全体の恐竜の形がどうなっていたか、研究者自身にもわかりにくい場合があります。それをデジタルサイエンスの研究者と一緒に視覚化することで、全体像を再現し、知ることができるのです。ほかにも、化石や失われた美術品などもCGで再現できます。CGは、人の心にわかりやすく訴えるという利点があるので、ますます広い分野で活用されていくでしょう。
技術だけではなく、感性も大事
CGは、いろいろなものを視覚化できますが、単に機械的に処理してすむというわけではありません。取り込んだデータを見やすく、そして表現する意図を明確にすることが大切です。それが人間の感性が関わる部分です。ですからCGを作る人には、技術的な部分に加えて、豊かな感性も必要になるのです。
現実の世界は立体なので、ものやデータを3Dで表現することが求められます。エンターテインメントだけの分野ではなく、さまざまな分野へ広がりを見せていくでしょう。急速に発展しているスマートフォンやタブレットの表示や操作といったユーザインタフェースの部分など、より新しい分野でも3Dが活用されていくかもしれません。
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