コミュニケーション能力が大切な理学療法士
まず問題を探すことから始まる
理学療法士にとって必要なのは専門的な知識や技術ですが、それと同時に重要なのがコミュニケーション能力です。高校までの教育では、記憶した知識を紙面に再現する能力が中心ですが、理学療法士の現場では問題自体を探すことから始まります。見つけた問題に対して解決策を探していくときには、医師や看護師など、理学療法士とは違った知識を持った専門職の人たちとコミュニケーションしなければなりません。立場を異にする人たちとの接触の中で問題解決への道を見つけて初めて、患者さんに貢献できるのです。
地域で受けられる理学療法
現在の日本では理学療法士は、主に病院などで活躍しています。病気やけがで入院している患者さんに対して運動機能回復の支援を行っています。しかし多くの先進国では、地域に理学療法の施設があります。患者さんは病院に入院するのではなく、地域で理学療法が受けられるのです。
日本では今後40年以上高齢者が増加すると考えられています。そのために地域で理学療法が受けられる環境が必要となります。残念ながら日本では未だそのための制度も条件も整備されていませんが、家の近く、例えばスーパーマーケットの近くに理学療法施設があれば、高齢者が理学療法を受けている間に買い物をして、一緒に帰ることも可能になります。
ますます広がる活躍の場
さらに将来は在宅での理学療法も考えられます。理学療法士が家庭に赴いて、理学療法を提供するのです。この時にもやはりコミュニケーション能力が必要です。患者さんや家族と相談しながら進めていく必要があります。病院は疾患の情報の宝庫ですが、地域や家庭は生活の情報の宝庫です。生活動作を支援することが理学療法士の仕事であるので、そのような場合、家族の人とのコミュニケーションによる信頼関係がとても大切になってきます。地域や家庭、介護予防や健康増進、スポーツ選手支援など、理学療法士にとってますます活躍の場が広がってきます。
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